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多摩川に捨てられた猫たちがたどりつく先は

駅義則・元時事通信記者
多摩川で生き抜き、現在は他界した猫=小西修さん撮影
多摩川で生き抜き、現在は他界した猫=小西修さん撮影

 野良猫は人間が捨てた猫か、その子孫だ。気楽に生きているようなイメージを持つ人もいるが、暮らしは非常に過酷。平均寿命を見ても、飼い猫は15歳前後だが、野良猫は4~5歳とされる。このため、地域の人々が餌などの面倒を見ながら、野良猫に不妊手術を施して繁殖を防ぎ、不幸な生を1代限りにとどめようとする例が増えている。

 今回の舞台は、東京都と神奈川県の境を流れる多摩川だ。夜は人通りが途絶える広大な河川敷に捨てられ、悲惨な運命をたどる猫は後を絶たない。犬や猫を捨てる行為は、動物愛護法で100万円以下の罰金の対象となる、れっきとした犯罪であるにもかかわらずだ。

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元時事通信記者

1965年、山口県生まれ。88年に時事通信社に入社。金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移り、IT関連の記者・エディターなどを務めた。また、飼い主のいない猫の保護や不妊化にも携わっている。