社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社会民主党 中央規律委員 野崎靖仁、55歳。
日々の思いを綴ります。
 



『小説すばる』連載の北方謙三「岳飛伝」。

5月号で唐昇の死が告げられました。

「唐昇って、誰?」という方のために、
『楊令伝読本 吹毛剣』(集英社文庫)から
唐昇の紹介を引用します。

●唐昇 一一一八年時点 四四歳
 元北京大名府の将軍。青蓮寺の手引きで、
祝家荘戦での敗戦責任を負わされる格好で田虎の叛乱に加わるが、
やがて青蓮寺とは決別。その後は梁山泊の兵站を受けながら、
別働隊のようにして動いていた。
正式に誘われるまでは梁山泊に加わらないと言い、
金国の中で生きる道を選んだ。同じ漢人の許貫中を軍師とする。
軍を退役してからは、隠棲。
許貫中いわく、「煮えきらない」性格の人物である。
(230頁)

北方水滸伝オリジナルのキャラクターで、気になる人物でした。

北方謙三さんのサイン会で
「唐昇は隠棲したまま出てこないんですか?」と
尋ねたくらいです。

北方さんの答は、
「人が消えるには、いろいろある。
 彼と組んでいたやつ(許貫中)は病気で死んだ。
 彼は隠棲してしまった。あの辺(唐昇が隠棲している辺り)には
 楊令の息子がいるんだけど、本人に出てくる気があるか。
 彼は煮え切らない男だからね」でした。

「そこは煮え切ってほしいですね。
 唐昇は梁山泊の一員になってほしいものです」と申し上げましたが、
結局出てこないまま死の知らせだけが届きました。


「唐昇っていう爺さんがいてな、老いて、古木が倒れるように死んだ。
金軍の将軍になったが、みんなが思うほどの働きはしなかった。
対遼戦などで、俺は兵站を担っていたので、しばしば会う機会があった。
戦じゃ、果敢な将軍だったよ。ただ、人生じゃ煮えきらなかった。
結局、田舎に隠棲して、小さな塾を開いていた。」
「煮えきらないとは?」
「踏み出せない。自分がこうだと思った情況がなければ、
一歩も踏み出せない。まあいい。おまえは知らない男だろう。」
(『小説すばる』5月号 422頁)


どこかで唐昇と自分を重ねていたんですね。
煮えきらない今の自分と、唐昇の姿を。

でも、まだ死んだという知らせだけなので、
本人が死んだという描写はありません。

李俊より一歳年上なので、70歳くらいでしょうか。

「唐昇」としては死んで、別の名前で生きていてほしいのですが。

原典『水滸伝』には、関勝の知人で
田虎の部将から梁山泊軍に加わる「唐斌」が登場します。

最後にひと花、咲かせてほしいものです。

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