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Kiyoぴん
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人間魚雷「回天」の話。その存在は知っていたが「神風特攻隊」の方が物語の主題として数多く語られているせいか、あまり知られていない。しかし人間の命を道具として消費することになんら本質的な差はない。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

時代は開戦前夜。主人公並木浩二はA大野球部のエース。3年前の甲子園優勝投手は鳴り物入りでA大に入学してきたがヒジの故障により今や当時の球威は全くない。しかしあきらめきれない並木は全く新しい「魔球」を投げてみせるとチームメイトに宣言する。そしてその日こそが真珠湾攻撃により日米開戦となった日だった。

前半は野球を愛する青年たちの青春と連戦連勝の日本軍がまぶしいばかりに描かれるが、ミッドウェー海戦を境に日本が劣勢に回るようになるにつれ徐々に青年たちの周りに暗い影を落とし始め徴兵を猶予されている青年たちに対する世間の目も段々厳しくなっていく。

そしてとうとう学徒出陣により並木やチームメイト達はそれぞれ希望する陸海軍に分かれ、並木は海軍へ。並木は回天に乗るのか?魔球の完成は?

これ以上はネタバレ過ぎなのでやめます。

人間魚雷「回天」。兵士は狭く真っ暗なこの鉄の棺桶に一人で潜り込み、完全に目隠ししたような状態で敵艦に向かっていく。その恐怖はいかばかりか。そしていつ激突し爆発するのか全く分からない恐怖。人間を一つの部品とみなすなんと残酷な兵器なのか。

たしか周南市に記念館があったような気がする。知覧にもいつか行きたいが、ここも一度行ってみようか。
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Kiyoぴん
Kiyoぴん さん本が好き!1級(書評数:124 件)

他サイトにて備忘録として書いていましたが閉鎖によりこちらに引っ越して来ました。(2017/4)
小説が主ですが歴史と科学関連も好物です。
できれば過去レビューも少しずつサルベージしていきたいと思います。よろしくお願いします。
評価は基本全て5です。文章を書くのは難しいと実感しているからです。例外としてどうしても自分には合わなかった作品は4以下をつける場合があります。

(以下追記2021/9)
ここ数年、過去レビューの移行もサボってましたが、病を患いしばらくは時間ができたのでまた再開します。
元気になったらまたさぼるかもしれません。いや、さぼるなたぶん。笑

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この書評へのコメント

  1. きこ・ペロ・レオ2017-08-17 07:33

    昨夏記念館そばまで行って、時間の都合で断念しました。。

  2. Kiyoぴん2017-08-17 07:41

    きこ・ペロ・レオさん はじめまして。コメントありがとうございます。観光ついでだとどうしても時間の制限がありますね。次回はぜひ。

  3. morimori2017-08-17 07:57

    kiyoぴんさん、こんにちは。ご存知かもしれませんが靖国神社の資料館にも回転の模型如き展示がありますよね。それを見て、あまりの小ささに驚きました。戦争の残酷さを身に染みて感じました。

  4. oldman2017-08-17 10:26

    遊就館に置いてある「回天一型」は本物です。元々米軍に摂取されたものが返還されました。隣の四型の胴体を覗くと本当に狭いです。回天本体は伊号潜水艦甲板に載せる為大きくは作れなかったとおもいますし、航走法も潜望鏡で確認したのち、推測航法で敵艦に体当たりするという物でした。真っ暗な筒内で時計を見ながら死を待つ…常識では考えられない兵器です。

  5. 風竜胆2017-08-17 10:49

    山口県の周南市は昔回天基地のあった大津島というところに記念館があります。徳山駅の裏手が港になっているので、そこから船でいくことができますよ。私は昔旧徳山市に住んでいたので行ったことがあります。
    また、回天は、型は違いますが、広島県呉市にある「呉市海事歴史博物館」(通称大和ミュージアム)でも見ることができます。ちなみにどちらも本物です。

  6. Kiyoぴん2017-08-17 13:21

    風竜胆さん、こんにちは。コメントありがとうございます。なるほど島に船で行くのですか。もう少しアクセスしやすい所だとより多くの人に見てもらえるのに、と思いますが一方で基地のあった所にある事に意味があるとも言えますね。情報ありがとうございます。

  7. Kiyoぴん2017-08-17 13:25

    oldmanさん、こんにちは。コメントありがとうございます。回天の事お詳しいですね。知れば知るほど人間性を全く無視した非情な兵器だと思いました。こういうモノを誰がどういった感覚で生み出したのでしょうね。怒りしか起きません。

  8. Kiyoぴん2017-08-17 13:28

    morimoriさん、こんにちは。コメントありがとうございます。恥ずかしながら靖国行った事ないんです。仮に模型であっても実物大があるなら当時の若者の気持ちを共感する事が「多少でも」できるかもしれません。機会を見て行って見ますね。

  9. No Image

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