日銀総裁人事、武藤氏は典型的な天下り人事で同意せず=渡辺・みんなの党代表

 [東京 23日 ロイター] みんなの党の渡辺喜美代表は23日、ロイターのインタビューに応じ、4月に任期が切れる白川方明日銀総裁の後任候補について、武藤敏郎・元財務次官(大和総研理事長)は「典型的な天下り人事だ」として、同意できないと述べた。アジア開発銀行の黒田東彦総裁(元財務官)についても、アジア開発銀行(ADB)総裁ポストを手放すことは国益に反するとし「同ポストを他国に渡してまで行う人事ではない」と述べた。
 日銀総裁の資質については、マクロ経済のPh.D.を持つ学識経験者、英語が堪能であること、危機管理能力をあげた。財務省出身者については「天下り人事」であれば望ましくないとし、有力候補の武藤氏について「人格・識見とも申し分ない。しかし、典型的な天下り人事だ」と述べ、政府が武藤氏を総裁として提案した場合には「同意できない」と明言した。
 また、財務官経験者で日銀に大胆な金融政策を求めている黒田氏については「日本の国益を考えれば、日本人がADB総裁ポストをとっていることは国益にかなう。それを他国に渡してまでやるべき人事ではない」と語った。
 日銀の総裁・副総裁、審議委員の9人のボードメンバーのうちリフレ派とみられるのは現在2人で、「リフレ派で(総裁・副総裁の)3人を固め」、過半をリフレ派とすべきとの認識を示した。
 日銀総裁人事で安倍晋三首相と19日に会談した際にはこうした考えを伝え、望ましい候補として、浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)、岩田規久男学習院大学教授、竹中平蔵慶応大教授、高橋洋一嘉悦大学教授、中原伸之元日銀審議委員の名前を挙げたことを明らかにした。
 武藤氏を名指しすることはなかったが「天下り人事」を行うべきではないと主張したという。
 デフレ脱却に向け、22日に公表された政府・日銀の共同声明に関しては「法的根拠も拘束力もなく単なる紳士協定にすぎない」と述べた。特に、2%の物価目標の達成時期について、具体的な時期の明記がなく、「できるだけ早期に実現を目指す」とあいまいな表現になったことを問題視し、「責任を伴った物価目標になっていない」と批判した。日銀法改正案を1月末に召集される通常国会に再提出する考えを示した。
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