花粉症の原因物質突き止める 新たな治療法に道
兵庫医大・阪大チーム 粘膜放出のたんぱく
兵庫医科大学の善本知広教授や大阪大学などのチームは4日、花粉症の症状の原因となる物質を突き止めたと発表した。花粉の刺激で鼻の粘膜から放出されるたんぱく質が引き金になっていた。花粉症の新たな治療法の開発などに役立つ成果という。
ブタクサの花粉などを与えて花粉症を発症させたマウスを調べた。鼻の粘膜で炎症を引き起こすたんぱく質「インターロイキン33(IL33)」が放出され、その刺激で、くしゃみや鼻水、鼻づまりを直接引き起こす物質が作り出されていた。
IL33のないマウスでは、くしゃみの回数が約3分の1に減り、症状はひどくならなかった。完全には治らないため、似た役割をする物質が他にも1~2種類あるとみている。これらの働きを抑える物質を作れば、新薬になる可能性がある。
花粉症はスギやブタクサなどの花粉で起こり、患者は国内で約5500万人いるという推定もある。治療はアレルギー症状の原因となるヒスタミンなどを抑える薬を飲むことが多い。詳しい発症メカニズムはわかっておらず、根本的な治療法はない。