年間投資額は5000億円超 —— アマゾンがテレビを追い抜く日が近付いている

アマゾンのCEOジェフ・ベゾス氏

アマゾンのCEOジェフ・ベゾス氏

Brent Lewis

近い将来、アメリカのAmazonプライムの加入世帯数は、ケーブルテレビや衛星放送の加入世帯数を追い抜く見込みだ。投資調査会社モーニングスターが推計した。

IT系ニュースメディアRecodeによると、Amazonプライムの加入数は、昨年から飛躍的に増加している。

2016年末時点で、推定約6600万世帯だった加入数は、現在7900万近くに上ると見られる。

(なお、アマゾンはAmazonプライムの会員数を公表しておらず、モーニングスターによる推計は、アマゾンのキャッシュフロー計算書の分析に基づいている。また、調査に基づく推定会員数は約8500万人)

一方、S&P グローバルは、現在のケーブルテレビや衛生放送の加入世帯数を、約9000万と推定している。

Recodeの分析によると、2010年以来飛躍的に伸びているAmazonプライムの加入者数は、このままのペースで行けば2018年にはケーブルテレビの加入者数を追い抜く。

Amazonプライムは本来、商品配送のサービスであり、今もほとんどの世帯はそれを目当てに加入しているはずだ。一方で、急成長しているアマゾンの動画配信サービスは、好評のオリジナル番組から人気のテレビ番組・映画まで、幅広いラインナップをそろえている。

ケーブルテレビや、Netflix、Huluといった競合ストリーミングサービスに対抗するため、アマゾンは2017年、推定45億ドル(約5080億円)を動画サービスに投入すると見られている。

アマゾンの番組制作における野心的かつ、制作サイドに多くを任せるアプローチは、ドラマシリーズ『トランスペアレント』のような、数々の賞を受ける革新的な番組を生んだ。同ドラマの製作総指揮を務めるジル・ソロウェイ(Jill Soloway)氏は、番組の内容が「政治的な理由で変更され」、ビジョンが「まとまりを失ってしまう」既存のテレビ局では、このようなドラマを作ることはできなかったと述べた。

また、アマゾンは2017年、5000万ドル(約56億4500万円)を投じて、NFLのサーズデーナイト・フットボール10試合分の放送権をTwitterから勝ち取った。アマゾンのテレビ番組に対する野心が強く表れている。

[原文:Amazon Prime will soon be more popular than cable TV, as Amazon spends $4.5 billion on TV shows and movies

(翻訳:Yuta Machida)

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