陸山会事件の不祥事では、検審騙しを画策した疑いが強い特捜部長等の上司の責任は不問にして、田代検事という「尻尾」だけを依願退職という決着で切り離して、開き直った。そこに共通するのは、問題の本質に向き合うことなく、「その場しのぎ」で、ごまかそうとする姿勢である。/郷原信郎弁護士

そのような検察の主張では、大坪氏の犯人隠避罪の成立は到底認められないことを、私は、控訴趣意書と控訴趣意補充書で徹底して明らかにした。しかし、検察の答弁書等での対応は、ほとんど一審論告の繰り返しに過ぎなかった。その「ごまかし」を厳しく指摘した控訴趣意補充書に、検察は沈黙した。そして、裁判長からの公訴事実に関する求釈明にもほとんど意味のない釈明しかできなかった。まさに、検察は、控訴審を控えて立ち往生しているようだ。

そのような検察の姿勢は、昨年9月に出版した拙著【検察崩壊 失われた正義】(毎日新聞社)で指摘した、虚偽捜査報告書作成事件等の陸山会事件不祥事に関する最高検報告書の「詭弁」「ごまかし」と相通ずるものであった。

検察は、大阪地検のみならず東京地検特捜部でも「割り屋」として重用した前田検事が証拠改ざん問題を起こすや、「トカゲの尻尾切り」を図ったが、社会的非難の大きさに慌てふためき、大阪地検特捜部長以下の「足」を斬り捨てて逃げ切ろうとした。一方、陸山会事件の不祥事では、検審騙しを画策した疑いが強い特捜部長等の上司の責任は不問にして、田代検事という「尻尾」だけを依願退職という決着で切り離して、開き直った。そこに共通するのは、問題の本質に向き合うことなく、「その場しのぎ」で、ごまかそうとする姿勢である。

引用:控訴審で「立ち往生」する検察~明日から元特捜部長控訴審公判  | 郷原信郎が斬る

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“Title : 陸山会事件の不祥事では、検審騙しを画策した疑いが強い特捜部長等の上司の責任は不問にして、田代検事という「尻尾」だけを依願退職という決着で切り離して、開き直った。そこに共通するのは、問題の本質に向き合うことなく、「その場しのぎ」で、ごまかそうとする姿勢である。/郷原信郎弁護士
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