広告は何回も見てもらう必要がある
この連載ではこのところ「そもそも広告とはね」という話を書いてきました。興味ある方はバックナンバーを読んでもらえるといいんですけど(連載のバックナンバー)。今回はその流れの続きです。
今回はようやく連載タイトル「ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!」にふさわしい内容になりそうです。たぶん、おそらく、きっとそうなります。でも実は少し、不安。
まず今回、私が問いたいのが「バズらせることが広告の目的でいいのか?」ということです。
「バズるような、話題になるWebムービーつくってください」
そんな依頼のもと、つくられた動画がYouTubeのあちこちに屍となっています。いまでも見つけ出して、クリックすれば動くわけですけどね。「あ、生きてるぞ、こいつ!」みたいな。
バズらずに終わると悲しい。無駄死にですね。でも時々はバズる。400万回再生される動画もあって、すごいですよね。
でも、みなさんも気づきつつあると思いますが、「バズった・・・」でも「それが何か?」ってことですよね。なぜなら私もいっぱい動画を見ましたけど、なーんも憶えてないもん。
「こんな動画あってバズりましたよねー」とか言われても、「なにそれ?見たことないです」とかね。400万回再生されても、その中に自分がいる確率は1億3千万分の400万なので、3%ぐらいなんですよ。しかも1回見ただけ。
見てないかもしれないし、見たけど、忘れているのかもしれないし、見たけど何の広告だったかまったく憶えてなかったりします。
マス広告のときは当たり前だったことを、Webムービーではみんな忘れています。広告は、一回接触したくらいじゃ効果ないわけですよ。
広告は元々、反復して接触するから効く。そういうコミュニケーションなんです。Webムービーがバズって400万回再生されたとして、1回ずつ見られても意味がない。長尺だから1回見ただけで効く、というのは甘い。1回見ただけで「売れる」わけがないですよ。
つまり、バズるのもまあ大事でしょうけど、反復が大事なんです。できれば、週に1回、毎週木曜日9時になど、定期的に何度も見てもらってやっと広告としての効果が出てくる。
動画を単発でバズらせるより、定期的に反復して見せたほうがいい。と言われると、なんかテレビCMみたいじゃないですか?ネットでの動画は、テレビみたいにやればいいんじゃないかな?
もうひとつ、動画広告と見る側の“気持ち“の話も考えたい。
「ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜」バックナンバー
- ネット広告を良くしなければ社会が悪くなる、2024年度はその分岐点です。(2024/3/21)
- 広告業界が知っておきたい放送法と放送制度(後篇) 内山教授に聞く「ネット時代のメディアとは?」(2023/4/14)
- 広告業界が知っておきたい放送法と放送制度(前篇) 内山教授に聞く「政治的公平性とは?」(2023/4/14)
- テレビは私たちの発明を待っている!―コネクテッドTVのお話(2023/2/09)
- 伝えたいことが見つかれば、それがブランドジャーナリズム(2022/5/24)
- インターネットで「メディア」は生き残れるのか? JICDAQに取材して考えた(2021/4/30)
- 「楽しくなければテレビじゃない」時代はもう終わっている。(2021/3/25)
- YouTubeは「第6のテレビ局」になろうとしている。(2021/2/16)
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