司法記者座談会(東弁LIBRA) | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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日常の法律問題や、弁護士業界のネタ、その他をつらつらと書こうと思います。

司法記者の座談会。
すごく勉強になります。

刑事事件におけるマスメディアとの対応の仕方に
ついても、少し考えが変わりました。
司法記者が大変なことは、友人にもいるので知っ
ているのですが、本当によく考えておられるなーと
改めて敬服するに至った次第です。
これは弁護士としては是非目を通しておいたほう
がいいのかな、と思いましたのでご紹介させてい


http://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2012_09/p02-19.pdf
特に印象的だった箇所を抜書きします。

p9「特捜部ではなくても検察を担当して一番
驚くし,困るのは,検察は認否を言わないんです。
(中略)
 そうなると,こっちとしては,東京地検特捜部
が逮捕した, 容疑はこういう容疑というだけで,
本人の言い分がまったく載せられなくなってしまい
ます。そのときに,やっぱり弁護人の方にしか聞
けません。そこで認めているのか,否認しているの
か,最低そこだけでも教えていただけると,バラン
スが取れます。」

p14「弁護人の方を擁護するわけではありませんが,
そもそも裁判員裁判が始まる前ぐらいから,検察は
組織だし,弁護士の人たちはやっぱり個人でやって
いるから,どうしても差が出るだろうと予測されて,
実際に始まったらやっぱり差が出て,最高裁のアン
ケートなどでもやっぱり検察の方がわかりやすく,
弁護人はわかりにくいとなっています。実際,裁判
員の記者会見を聞いていても,やっぱり弁護人の
方はわかりにくいと言われます。
 でも,本質的に検察側の立場と弁護側の立場は
違うじゃないですか。そこで物語を描きにくいという
のがあるんだろうなと,この間会見を聞いていて感じ
ました。裁判員の方が,もうちょっと背景とか経緯
を物語で言ってくれたらわかりやすかったとおっしゃ
ったんですね。この人が言っていることは,アナザー
ストーリーではないんでしょうけれども,ある意味で
は核心を突いているのではないかと思いました。」

p17 毎日・和田記者「そもそも弁護士というもの
の実像が伝わってないですよね。(中略)弁護士
というと,やっぱり敷居も高いし, 何か頭のいい人
たちで,相談したらお金をたくさん取られるという
イメージぐらいしかありません。」
※なお、和田記者は、この(中略)において

「実際,一般市民で弁護士が必要な方は,そんなに
たくさんいるわけではないですよね。しかも,毎日
必要にしているわけでもない」
とも述べておられることが印象的。

p18「そういう状況の中でも,たくさんの弁
護士さんが巨大な力と何とか戦っているという状
況は,今も日々続いていると思います。そういう
中で,その現場の弁護士さんたちがあきらめてしま
うと,あっという間に雪崩のようにあきらめが世の
中に広まってしまうと思います。」

忘れないようにしなければならない、重い言葉だと
思いました。