あの事件では弁護人にものすごく捜査妨害された。ゴビンダを逮捕した晩、弁護人が接見した途端に完全黙秘になった。/ゴビンダさんの弁護団 15年間の冤罪法廷で勝ち取ったもの

これは平田氏個人の見解ではない。警視庁はゴビンダさんの無罪が確定すると、龍一文・捜査一課長名でこんな声明を出した。

「司法の判断にコメントする立場ではないが、無罪判決が出たことは真摯に受け止め、今後の捜査にいかしていきたい」

 司法の判断に納得していない、という本音が行間から伝わってくる。

「あの事件では弁護人にものすごく捜査妨害された。ゴビンダを逮捕した晩、弁護人が接見した途端に完全黙秘になった。留置場から(取り調べに)出てこないこともあったが、それも弁護人の入れ知恵。神山、神田、佃の『カンカンツク』ですよ」(平田氏)

 当時、捜査一課の刑事たちはゴビンダについた神山啓史、神田安積、佃克彦の三弁護士を「カンカンツク」と呼んで忌み嫌っていた。このエピソードを聞き、「それはむしろ名誉なことですね」と語るのは、カンカンツクの一角をなした佃克彦弁護士(48歳)だ。

「警視庁の捜査のいちばんの問題点は、早い段階で『ゴビンダが犯人』と決めつけてしまったことです。おそらくトイレ内のコンドーム(後述)で決めた。その後はゴビンダさんを逮捕・起訴できる都合の良い証拠を集めようとした。オーバーステイのネパール人だから与しやすい、という発想は当然あったでしょう」

引用:東電OL殺人事件 テレビにも出ないしカネももらわない ゴビンダさんの弁護団 15年間の冤罪法廷で勝ち取ったもの  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

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