お久しぶりです。
NEW Tです。
前回 予告しました通り、前職であるアニメーション制作の
お話をさせていただこうかと思っています。
アニメ制作現場での絵描きさんは、大きく分けると2者おり、
背景(主に山や森などの自然物、建物、宇宙空間など)に関わる方と、
作画(主にキャラクターなど)に関わる方がいます。
今回は、作画に関わる方=俗にアニメーターについてお話します。
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さて、絵を描くための道具として、
会社ではペンタブレットを使用した完全にデジタルのイラストレーションが主流ですが、
商業テレビアニメの現場では、いまだに『紙と鉛筆』の世界であるところが多いです。
(もちろん、デジタル化された現場もあり、自社の海外部署との素材のやり取りをされている
会社さんもいますね)
多くの方が言われるには、鉛筆とタブレットでは"絵を描くため筋力"が違うのだそう。
これはベテランのみならず、若手の方も同様の意見で作業されている方は多いです。
あとは、かなり大量のイラストと描かねばならないこと、
さらに複数の部署にまたがって、そのイラストをチェックしたり、
次の工程にしたりする関係で、規格と感覚を統一できないということでしょうか。
どれくらい大量のイラストかというと、
30分のテレビ番組で使用する動画枚数と呼ばれるもので
平均4,000枚程度です。
アニメーションの動画は、1秒間に24枚の絵を連続で見せて
網膜残像現象を利用して表現されています。
日本のアニメはリミテットアニメーションという手法なので、
実際に1つのキャラクターの動きは1秒間で8枚程度で表現されます。
いろんんな仕様が重なり合って、もろもろ4000枚に達するわけですが、
最終回などになると上限が吹っ飛び、
10000枚という話も良く聞きます。
1990年代までは、コンピューターもあまり普及していなかったので、
現場もセルアニメーションというセル画と呼ばれる透明なフィルムに
色を塗ったものをカメラで1コマづつ撮影していました。
その時代も枚数はそこまで変わりませんが、
この動画を1~3人くらい描いていたそうです。
期間的には1カ月弱でしょうか。
現在は国内で1人のアニメーターが一か月に描く動画は300~400枚くらい。
これは、作業がデジタル化されて作画以降にかかる時間が短縮していることと、
1コマ1コマの絵をイラストとして高い品質が求められるようになってきた
現在の傾向かもしれませんね。
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アニメーターさんは、カメラマンであり、役者でもある、と言われます。
一枚の絵を描くうえで、どんな構図にするのかをカメラマンとして考え、
どんな表情をするのか、動きをするのか、役者として考えて絵を描きます。
それも静止画ではなく動画ですから、実写と同様に時には
醜い表情も、フィルムに転写される際の歪んだ絵も表現されます。
この"絵として表現された醜さ"と"表現する能力がない"というのは、
素人目には見分けがつけずらいのです。
しかし、これらをチェックする役回りの方々は、
描き手がどんな気持ちで、紙に向かっているかまで見抜いて
修正をかけています。
カメラマンとしてレンズを覗き、役者として深層心理を掴む。
その結果として、能力の高い方々は超能力者のごとき能力を身に付けられてますね。
一緒に仕事をしていて、尊敬するばかりです。
さて、次回はこれらアニメーターに傍で別の角度から作品を作り上げる
『演出』について注目してみたいと思います。
それまで、他の皆さんのブログをお楽しみください♪