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HPV感染はHIVの感染リスクにつながるか

2010-04-14 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
子宮頸部-膣のHPV感染はHIV感染リスクにつながるか?という調査結果をUCSFの研修者らが発表しました。

Type-Specific Cervico-Vaginal Human Papillomavirus Infection Increases Risk of HIV Acquisition Independent of Other Sexually Transmitted Infections

HSV-2をはじめとする他の性感染症がHIV感染リスクに影響することはこれまでにも報告されていますが、HPVについてはあまり知られていません。

今回、ジンバブエで行われた別のコホート調査の参加者のうち、協力の得られたHIV陰性の2040名、平均27歳(18-49歳)の女性を対象にHPV感染とHIV感染についての研究を実施。
協力者はコンドーム等での予防のカウンセリングを受け、3ヶ月に一度受診をして検体を提供。
95%の女性は決まったパートナー/夫と同居。生涯のパートナー数は平均1.3(1-20)。

全体の6.9%の女性には、クラミジア、淋菌、トリコモナス、梅毒などの性感染症があり、50.8%はHSV-2に既感染であることが血液検査の結果把握されました。

調査期間中に88人がHIV陽性となりました(2.7/100 女性人年;95%CI 2.2-3.4)。

今回の調査では31型、58型と70型がHIV感染と関連していました。(70はnon-oncogenic HPV)・・・ワクチンで予防できる16や18とのではないんですね。他の因子も複雑に絡みますし、このことだけですぐどうこうはいえず、今後さらなる調査等が期待されます。

最近のMSMの調査では、2つ以上のHPVに感染することがHIV感染リスクと指摘されていました。(HR3.5、95%CI=1.2-10.6)
Anal human papillomavirus infection is associated with HIV acquisition in men who have sex with men.
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