東京電力福島第一原発事故を検証する「国会事故調査委員会」の黒川清委員長は8日、国会内で記者会見し、東電の清水正孝社長(当時)が原発作業員の「撤退」を政府に申し出たとされる問題について、「全員撤退」ではなかったとの見解を示した。黒川氏は「東電は常に『退避』という言葉を使っており、『撤退』という言葉のニュアンスとは違う。現場は一貫して原子炉の問題に懸命に取り組んでいた」と説明した。
この問題については、事故当時の枝野幸男官房長官(現・経済産業相)や海江田万里経産相が国会事故調での証言で、東電は全面撤退する趣旨の発言をしたとの認識を示し、見解が割れている。