#検察なう 277 「検察控訴の背景を探る」 3/13/2013 – 「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン

まず非常に重要なポイントは、決定権を持つ者が、どれだけ世の中の趨勢を理解していたかという点です。

クイズ100人に聞きました。「夕方前にスーパーの買い物帰りの主婦100人に聞きました。検察とは何をするところですか。」

以前であれば、

「けんさつ?警察とどこが違うのかしら。なんとなく、悪い人をとっつかまえてこらしめるっていう感じだけど。」

であったものが、今や

「検察!やっだー!あれでしょ、何か無実の人でも悪くしちゃうって。村木さんかわいそうだったわねえ。冤罪っていうのかしら。結構多いみたいじゃない。東電OL殺人事件とか、あれ、何て言ったかしら、あ、そうそう、夕張毒メロン事件っていうの?映画になったやつ。怖いわよねー。」

です。

最近、検察の意向に沿わない判決が散見され始めたことから、全く自浄能力を示してこなかった検察内部にも、危機感を持つ検察官が出てきても不思議はありません。彼らは、私の判決の際の佐藤裁判長の説諭にあった「初心」に時間的に近い若手検事であることが多いでしょう。それに対し、「初心」から遠く、組織の論理が染みついた上層部はそうした危機感を持ち得なかったのだと思います。

それはあたかも、戦火の前線で、無線電話に向かって叫ぶ現場指揮官と、前線から遠くにいてリモートコントロールする幕僚のようなものです。

「戦局は圧倒的に不利です!我が兵も疲弊しています!ここは撤退して、態勢を立て直して反撃の機会を伺うべきです!」

「撤退!?ならん、ならん!絶対に前線死守だ。わが軍に『撤退』の二文字などない!」

危機感を持つ検察改革推進派が、控訴に慎重であったのに対し、全く旧態然としてKYな検察改革不要派が、控訴に積極的であったと思われます。

もう一つの重要なポイントは、組織防衛を真剣に考えているか、自分の利害を組織防衛に優先しているかという点です。

引用元: #検察なう 277 「検察控訴の背景を探る」 3/13/2013 – 「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン.

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