レノファ山口が町田ゼルビアに競り勝ち、前日11日にツエーゲン金沢に1-4と大敗したロアッソ熊本を、わずか得失点差1でかわして20位に浮上し、降格圏を脱した。

 カルロス・マジョール監督(52)は、試合後の会見で「現時点では、そういう状況ですが、やはり大事になってくるのはホームで戦う最終戦」と、19日の愛媛FCとの最終節に向けて手綱を引き締めた。そして「自分たちの出来ることを全てやって、一番いい形で臨み、残留できるよう頑張りたい」と淡々と、努めて冷静に語った。

 町田戦について聞かれると「とても厳しい試合だった。相手は、ゴール前の背の高い選手を直接的に狙ってくるのは分かっていた。相手の攻撃をしのぎ、攻撃に移り、ゴールチャンスを作ることが出来た。前半、後半の一部を見る限り、勝者にふさわしいのは我々だ」と振り返った。その言葉通り、前半は終始、主導権を握り同31分、スローインから町田の一瞬のスキを突いてMF小塚和季(23)が鋭く出したパスを、DF星雄次(25)が左足でゴール右上にたたき込んだ。その後は堅い守備で、町田の攻撃をはね返した。

 現役時代の96年にアビスパ福岡に在籍したマジョール監督は、6月5日に上野展裕前監督の解任を受けて山口の監督に就任し18年までの契約を結んだ。その時点で既に最下位だったチームを粘り強く率い、9月24日には松本山雅、そして前節5日には東京ヴェルディと、J1昇格プレーオフを伺う強敵を下した。

 21位の熊本とは勝ち点37で並び、19位カマタマーレ讃岐との勝ち点差も、わずか1。18位の金沢は46、最下位ザスパクサツ群馬は20と勝ち点は離れており、19、20、21位の3チームで最終節に生き残りをかけるが、2連勝と勢いに乗った。マジョール監督は「次の試合は、とても大事になってくる。自分たちが今までやってきたこと、ここ数戦で見せている集中力、姿勢で挑まないといけない。ここ数試合でやっていることは間違っていない。それることなく続けていかないと」と、不動心で臨むことの重要性を訴えた。【村上幸将】