皆さん、どうもです。
紫の炎(行政書士&FP/前原浩)です。
(今回は前回からの続編シリーズ(②)です。(笑))
『NPO法人』『一般財団法人』『一般社団法人』のグループは、『合同会社』や『株式会社』のグループとは異なって利益配分ができない点が特色です。
では、前回に続きまして、フローチャートをすすめてゆきます。
①で「社会や人のために役に立つことを目的とする場合で、
②で「設立費用(公的な費用)を出来るだけ安価に行いたいというわけでもなく、これにそれほどこだわらないケースと、
③で「行政の認証を受けておきたい」とは思わないケースでは、
次に
④で「創立費用の提供者がいるかどうか?」で考えることなります。
→「いる」の場合は、『一般財団法人』へ行き着くこととなりましょう。(ただし一般財団法人の設立には基本財産額が300万円以上が必要です。)
→「いない」の場合は、次に
⑤同じ志を持った方々の集まりかどうか?で方向が分かれることとなります。
→YESの場合は、『一般社団法人』へと行き着きます。
→NOの場合は『その他の団体』となります。(宗教法人・医療法人・学校法人・社会福祉法人などは微妙ではありますがここではとりあえずひっくるめて『その他』へとしておきます。)
会員制というスタイルが一般的であため広く一般から賛同者を集められるという点においては『一般社団法人』と『NPO法人』とはよく類似しているとはいえます。
しかし、設立手続きやそのための要件、ならびに設立後のしばりなどにはかなりの差が見られます。
設立要件ですが、人的要件として『一般社団法人』が役員数は理事が1名以上(または2名以上)で構成員(社員・会員の意)が2名以上が必要であるのに対して、『NPO法人』の方は役員数は理事が3名以上と幹事が1名以上必要で構成員(社員・会員の意)にいたっては10名以上が必要であります。
『一般財団法人』の方では設立時において理事3名、幹事1名、評議員3名の合計7名は最低必要です。(財産が本体の法人ですので構成員数は関係しませんが基本財産が300万円必要です。)
それと設立手続きですが『NPO法人』の方は所轄行政庁の認証を得なければ法務局にての設立登記をすることができません。
一方、『一般社団法人』の方は法改正によって準則主義が採用されることとなりまして所轄庁による認証を得ることを必要とはせず、法務局にての設立登記のみによって設立可能となっております。(ただし公証人役場での定款認証手続きは必要です。この点では株式会社とほぼ同じ手続きだといえます。)
ちなみに設立の要する時間ですが、『NPO法人』の方は所轄庁による認証手続きにかなりの時間を要することとなるため約4~6カ月程度を見込んでおかなければなりません。
一方、『一般社団法人』の方は1カ月以内での設立が可能です。
公的な設立費用は、『一般財団法人』や『一般社団法人』の方は定款認証手数料の約9万円(電子定款の場合は約5万円)でこれに法務局での登録免許税が6万円かかります。
一方『NPO法人』は定款認証手数料や登録免許税は不要です。
設立後のしばりにも差がみられ、『NPO法人』は報酬を受ける役員の数は役員総数の3分の1以下であることが求められます。
また一定の経理要件が求められ、経常支出合計のうち半分以上が事業費となる必要があります。(つまり、事業費>管理費、となる必要があります。)
『一般財団法人』は2期連続で財産額が300万円を下回ると解散となってしまいます。
『一般社団法人』の方は特にこれらのしばりは存在しておりません。よって、実質的には利益配分ができない点をのぞいては株式会社に近いものといえます。(事実、会社の選択を『一般社団』と『株式会社』とで比較検討する方も増えてきているようです。)
※法人の設立・会計記帳・公庫融資などの依頼や相談は、前原行政書士事務所 (① http://maehara.zouri.jp/ ② http://f-a.gyousei.com/maehara/ gyousei. com/maehara/ )
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