「手描き」で3Dプリンティングできるペン

3Doodlerは、「3Dプリンティングが作成できる」ペンだ。ペン先から出た途端に固まる特殊な樹脂のインクを使っている。
「手描き」で3Dプリンティングできるペン
Photos: Courtesy WobbleWorks

3Doodler」は、ペン先から出た途端に固まる特殊な樹脂の「インク」を使って、3次元の立体を「描く」ことができるペンだ。

このペンは、内部で樹脂(PLA樹脂またはABS樹脂3Dプリンターで使われるものと同じ材料だ)を加熱して溶かす構造になっている。

最初の加熱に数分かかるが、その後は、ペンのボタンを押しながら何かの表面に書き付けたり、ペン先を空中で動かしたりして描くことができる。溶けた樹脂は3Doodlerから「インク」のように押し出され、すぐにファンで冷やされて固まり、非常に繊細だが耐久性のある構造になる。

3DoodlerはWobbleWorks社がつくったものだ。同社のピーター・ディルワース最高経営責任者(CEO)は、「技術的な知識やソフトウェアやコンピューターが不要で、すぐに使える3Dプリンティング・デヴァイスを作りたいと考えた」と説明している。

現在「Kickstarter」を通じて資金を募っている。すでに目標の30,000ドルは突破したが、50ドルで事前注文ができる(2016年、すでに販売済み。サイトはこちら)。

WobbleWorks社はこのペンの使い途について、オリジナルの彫像を作るだけでなく、既存の製品のカスタマイズや、修理にも使えると提案している。ペンを樹脂溶着工具として利用するわけだ。

作品の例。画像は別の英文記事より

クラフト好きな人々を惹きつけるために、WobbleWorks社では手作り品のマーケットサイト「Etsy」のアーティストたちと協力して、Kickstarterで早くから支援してくれた人々に対してギフトを提供する計画だ。アーティストたちは、3Doodlerを使って限定版の作品を作成することや、芸術的センスに自信のない人のための型紙(ステンシル)やテンプレートを作るよう、奨励されている。

ペンは、太さが24mm、長さが180mmのずんぐりした形だ。重さは200g未満でユニヴァーサル電源を使用する。ペンにはABS樹脂が1kg付属し、最大で1,240m分を描くことができる。

残念なことに、子どもには向いていない。金属製のペン先が摂氏270度になるからだ。大きな子どもだけが使おう。

TEXT BY OLIVIA SOLON

TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI/GALILEO