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ペットを飼っていれば、顔や手を舐められることは日常茶飯事。だが、その行動が飼い主であるあなたの寿命を縮めるかもしれない。そう知っていても、まだスキンシップを続けられるだろうか。
そのキスが命取り
「そんな危険があるなんて知りませんでした。私は、普段からうちの犬には顔を舐められないようにしていますし、犬が使った食器と人が使った食器を洗うスポンジは別々にしていますが……。
でも、犬って、いくら言っても人間の手足や部屋にあるものを舐めたりするじゃないですか。うちの夫なんて、ペロペロと舐められてもされるがままなんで、今後は夫にも気をつけるように言わないと」
動揺するのは、コラムニストの山田美保子氏だ。ミニチュア・ピンシャーを飼っている愛犬家の山田氏が驚いたのには訳がある。
なんと、ペットを飼っていることで「胃がん」になる可能性があるということが明らかになったのだ。
犬好き、ネコ好きの人なら誰もがショックを受けるこの事実は、今年6月の日本ヘリコバクター学会で発表された、北里大学薬学部の中村正彦准教授らのグループによる研究が元になっている。
胃がんを引きおこす原因とされているのが、「ヘリコバクター・ハイルマニイ」(以下、ハイルマニイ)と呼ばれる細菌だ。
この細菌は、胃がんの原因として知られるピロリ菌の亜種にあたり、胃MALTリンパ腫という胃がんの一種を発症させると考えられている。
たとえ、ピロリ菌に感染していない人でも、胃がんを発症することは少なくない。そのような人は、ペットを経由してハイルマニイに感染している恐れがあるというのだ。