11月経常収支、5928億円の赤字 過去最大
財務省が14日発表した2013年11月の国際収支(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は5928億円の赤字だった。赤字は2カ月連続で、現在の基準で比較可能な1985年以降で赤字額は最大となった。円安を背景に燃料輸入など貿易収支の赤字額が11月としては過去最大となり、所得収支の黒字で補えなかった。
貿易・サービス収支は1兆3643億円の赤字で、11月としては過去最大だった。赤字は20カ月連続で、赤字額は前年同月と比べて3690億円拡大した。うち貿易収支は、輸送の保険料や運賃を含まない国際収支ベースで1兆2543億円の赤字だった。輸出額は17.6%増の5兆6316億円。米国向け自動車やオーストラリア向けの軽油、中国向けにペットボトル原料などになる有機化合物が増えた。輸入額は22.1%増の6兆8859億円と、11月としては最大だった。原粗油や液化天然ガス(LNG)など燃料や航空機の輸入額が増加した影響が大きい。旅行や輸送動向を示すサービス収支は1100億円の赤字だった。
円相場は1ドル=100.03円で、前年同月比23.7%の円安(インターバンク直物相場・東京市場中心値の月中平均レート)だった。
所得収支の黒字は前年同月比0.8%増の9002億円で、3カ月連続で増えた。海外への日本企業の配当金支払い増加などで証券投資収益が減ったが、直接投資収益は日本での事業で得た配当金や支店収益などの海外への支払いが減ったため増えた。
季節調整済みの経常収支は466億円の赤字で、3カ月連続の赤字だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕