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献本書評
アカナさん
アカナ
レビュアー:
量子力学の入門者が専門的内容に入っていくための導入として適している。大学で量子力学の講義を受け始めた頃に読みたかったなぁ…!
現在現役の高校生である著者が、独学で学んだ量子力学について、12歳の時に自身の理解を基にまとめたという一冊。
題名からして、どうしても「12歳が書いた」という所が強調されてしまいますが、誰が書いたのかという事を抜きにしても、量子力学の入門者が専門的内容に入っていくための導入として適している内容だと感じました。

量子力学の本と言うと世の中にごまんとありますが、簡略な説明と平易な図による、厳密ではない「入門書」と、難解な文章と大量の数式による「専門書」に二分され、その間を埋める「中間書」が存在しない、という事で、本書は量子力学の「中間書」を目指して書かれています。

そのための工夫として、次の3点が本書の特徴として挙げられます。
・内容の難易度や数式の量が「入門書」と「専門書」の間ぐらい
・量子力学の成り立ちの過程や背景を重視する「発展史」の形式を取っている
・読者が自分なりの解釈で図を描きながら理解していけるよう、ほとんど図を使っていない

特に2点目の「発展史」の形式というのが、一足飛びに理論に入って行かないので、理解を助け、興味を持ちながら進んでいける最大の要因となっていると思います。
また、数式の導出過程をできるだけ省略せず、丁寧に示している点も好感が持てました。

私自身、大学で量子力学の講義も受けましたが、いきなり専門的内容に入るので、なかなか付いていけず、講義で使われていた教科書(専門書)で自習しようとしても難解で、入門書を読んで背景を理解しつつ、何とか付いていこうとしていたことを思い出しました。
その頃に本書があったら、もうちょっと理解が進んでいたんじゃないかなぁ、と思います。

「12歳が書いた」というタイトルに若干あざとさを感じてしまいましたが…そこを気にしなければ、量子力学の「中間書」として良書だと感じました。
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アカナ
アカナ さん本が好き!1級(書評数:348 件)

3年ほど前まで読書習慣がなかったのですが、一旦始めると読みたい本が沢山出てきますね。
このサイトでも色んな本に出会えたらと思います。
よろしくお願いします。

今年に入ってから、読書のペースがぐっと落ちてしまっており、それ以上に書評がなかなか書けないようになってしまっています…。
ただ、これで読書習慣をなくしてしまいたくないので、自分のペースでぼちぼちやっていきたいと思います。
皆さんの書評を読ませて頂く時間も最近は殆ど取れていないですが、どうぞご贔屓に。

2016年6月26日 書評掲載開始
2016年10月28日 書評50件達成
2017年4月12日 書評100件達成
2017年11月12日 書評150件達成
2018年6月17日 書評200件達成
2018年12月15日 書評250件達成
2019年8月10日 書評300件達成
・興味:科学全般、お笑い。小説ではミステリ。
ビジネス書もちょこちょこ読んでます。

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