2016年10月9日日曜日

放射能汚染の真実 北海道は安全か?


「関東からの避難者が語る放射能汚染の真実〜北海道は安全?〜」というタイトルで、最近2カ所でお話しました。
最初は「長沼マオイ丘陵町民大学」(教育委員会後援)で。
2回目は「まおいらま」(命と暮らしを考える長沼の会)の例会で。

世間的には特異な話なので、疑問や反発する人も出るかと思っていたのですが、
みなさん真剣に聞いてくださり、共感してくださいました。

パワーポイント(僕の場合はMacなので、キーノート)62枚を使った1時間以上に及ぶ説明なので、とてもその全部をここで紹介できませんが、主な部分だけを、当日の配布資料の一部を使って紹介します。
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日本の「規制基準」

決して「世界最高水準」ではなく、むしろ程遠いのです。

再稼働には、少なくとも次の3つのことを考え、総合的な判断をする必要がありますが、
2と3は全く考慮されていません。
1. 技術的工学的な安全性
2. 事故が起きた時の防災計画・住民避難
3. 使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物の処理 

国際基準である「5層の防護」のうち、
日本は3層までしかありません
①原発のトラブルを起こさない。
②トラブルを拡大させない。
③トラブルが拡大しても過酷事故(大量の放射性物質が外部に流出すること)に至らせない。
④過酷事故が起きてもそれをできるだけ小さくする、
⑤事故で放射能が大量に放出された際適切な避難計画で住民を守る。



大地震と原発立地


世界の主な地震は、すべてプレート付近で起きています。

世界のプレート境界は、ほとんどの場所では、ただ2つのプレートがぶつかっているに過ぎないが、日本列島だけ4つのプレートがぶつかる場所に位置しているのです。



左図では、世界中の原発が赤丸で示されている。黒い点が、地震の震源。

世界の原発のほとんどは、日本を除くと「安定大陸」の上に建設されているのです。





将来、確実に大地震を起こす日本海側のプレート境界は、泊原発のすぐ沖合いにあります!


事故が起こらなくても被害が

事故の処理にあたっている人たちは大変な被曝を強いられているが、平常時でも、原発の運転と定期点検は、作業員の被曝という犠牲の上に成り立っています。

ウラン採掘の鉱山でもたくさんの労働者が被曝しています。
原発は、燃料になる原料の採掘から、廃炉作業や使用済み核燃料の処理に至るまで、その全工程で、関わる人たちを被曝させ犠牲にしているのです。


原発周辺地域での発癌率や癌による死亡率が高い。

泊村の癌による死亡率は北海道で一番高く、2位は岩内町、3位が寿都町で、いずれも泊原発周辺の海岸に接している町。 
トリチウム(3重水素)という、膨大に排出しているのに何の管理もしていない放射性物質が原因として疑われている。
 
乳癌による死亡率は、泊原発周辺の内陸部の町に多い。赤井川町、仁木町、古平町など。
この原因は、放射性ヨウ素だと思われる。ヨウ素は蒸気になりやすく、雨によって
山岳部に降り注ぐ。
                    

内部被曝が大きな問題

至近距離からの内部被曝は外部被曝の数万倍以上危険。

外部被曝とは、薪ストーブに当たって暖をとること。
内部被曝は、その燃え盛る薪を小さく粉砕して、口から飲み込むこと。

内部被曝での放射線は、長期にわたり局部の細胞を攻撃するので、
感受性の高い細胞周期も必ず襲う。



チェルノブイリとの比較






福島の避難基準は、チェルノブイリより4倍も甘い。
(逆に、福島事故による放射性物質の全放出量は、チェルノブイリの2倍以上。)

しかも、チェルノブイリの5mSvは外部被曝3mSv+内部被曝2mSvであり、内部被曝もきちんと考慮している。

 「自主的移住ゾーン」の人が移住した場合も、住宅の提供や就業支援、検診や薬品の無料化、保養費補助などの支援が受けられる。

 1mSv超の地域は福島県以外にもあるが、支援はない。













土壌汚染と農産物

揮発性の高いセシウムが土壌汚染の主役。(ストロンチウムは低い)
東京も首都圏も、こんなに汚染されています。





海洋汚染

ストロンチウムはセシウムやヨウ素と同じくらい発生しているので、海へ大量に行っている。ストロンチウムによるβ線の測定は必須。
海洋汚染の問題が少ないチェルノブイリでも測定し、食品規制値を設けている。

セシウムは例えば海藻では1万倍に濃縮される。つまり、セシウムが1ベクレル漏れたら、1万ベクレルに濃縮されて人間の口に入ってくる可能性がある。
北海道産でも、太平洋側では魚からセシウムが出ている

事故が起こらなくても、原発を稼働することによりトリチウムが大量に発生する。三重水素ともいうトリチウムは半減期12年の放射性物質で、β線を出す。これは水の成分となり、簡単には取り除くことができない。除去できないので、無制限に海に垂れ流しているのが現状。



食品汚染


原発事故前に食べていた食品の放射線量と現在の規制値を比較すると、数百倍から25万倍の放射性物質を含んだ食品を食べざるをえない状況になっている。

福島原発事故が起こる前は、日本のほとんどの食べ物は0.1ベクレル/kg程度しか汚れていなかった。

被曝は微量であっても危険を伴うので、99ベクレル/kgの食べ物は危険。10ベクレル/kgだって危険。










食品汚染の現状(2016年上半期)(厚労省の発表データから)



これから、私たちはどうすれば?

 今後は、全世界的な規模での原発由来の放射能との闘い。
 対策の基本は、まず被曝線量と含有放射性物質の把握から。

1.  放射能のことをもっと学び、自分なりに判断する
2. できれば、食品に含まれる放射性物質量を把握する。
3.  放射性物質含有量がわからない場合は、産地などで判断する。
4.  住んでいる地域がホットスポットの場合、移住を考える。
5. 移住できない場合、被曝線量や食物摂取による内部被曝に注意する。

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