雨樹一期のトイカメラの教科書 第50回 トイカメラの上達方法その8「ローアングル&地べた撮影」

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こんにちは雨樹一期です。ようやく春がやってきましたね。冬が苦手な僕としては嬉しい限りです。ただ花粉症の方にとっては辛い季節ですよね。僕も目がしょぼついたりしますが、いまのところ私生活にはあまり影響ないので、毎日が撮影日和です。花も咲いてきますからね、どんどんワークショップなども開催していこうと思っています。
さて、トイカメラの上達法も第8回。しっかり実践して頂ければきっと上達していることだと思います。もちろんその為にはたくさん撮るということが一番ですが、今回はなかなか上手く撮れないという方の為に、「誰でも簡単に写真が上手くなるテクニック」を書いてみようかと思います。
その前に、復習もしておいて下さいね。

第一回…距離を合わせる
第二回…フィルムの保存方法と撮影前の注意点
第三回…楽しむ為の裏ワザ
第四回…露出を知る
第五回…カメラの特性を知る
第六回…フィルムの特性を知る
第七回…逆光で撮る


花はローアングルで撮る

写真は立体感があるほど上手く見えます。逆に、『どうも上手く撮れないんだ』って方の写真はのっぺりとしています。一眼レフなら、絞りを開放して撮れば、背景がボケるので立体感も出せるのですが、トイカメラはそれが苦手。というより、自分で調整が出来ないです。
そこで試して欲しいのがローアングル撮影です。自分の目線で撮っていると、なかなか上達しません。たとえばこれからの季節だと菜の花です。それを自分の目線で撮ると、のっぺり写真になりがちです。花が目線より下になるので、ややハイアングルで撮ってしまいます。
さらによく見かけるのですが、スマホやガラケーだと、縦で撮っているんですね。人間の目は横に付いているので、横の方が構図を決めやすいです。縦で撮るとどうしても、中心部分にしか目がいかないので、写真の下部分に土や柵など、余計なものが写り込んでしまいます。ごっちゃり&のっぺり写真の出来上がりです。「花を撮りたい!」という気持ちは分かりますが、花だけを中途半端な距離で撮ってもあまりキレイには写りません。

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では、どうすればいいか?簡単です。ローアングルで横向きで撮るだけです。ローアングルというのは、立ったまま撮らず、しゃがみこんで、花よりも下から撮る形です。撮影はノーファインダーでもオッケーです。 立体感が生まれ、青色が加わることで鮮やかな写真になります。空が広く入るので、スッキリした写真にもなります。

順光で撮ると、花や青空がより鮮やかに撮れますよ。
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カメラを地べたに置いて撮る

花を撮る時は少しカメラを上に向けて撮りますが、カメラを地べたに置いてファンダーを覗かずに撮るのも面白いです。いつもの自分の視点とはガラッと変わるので、とても味のある写真を撮ることが出来ます。
このテクニックを使えば、猫などの動物がめっちゃかわいく撮れます。正面から顔を撮るだけではなく、お尻も狙い目です。

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地べた撮影は動物に限らずいろんなシーンで使えるテクニックです。ピントは最短距離か無限に合わせましょう。

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また、この撮影のいいところは手ぶれしないことですね。地面が三脚代わりになってくれます。夜や少し暗い場所で三脚を持っていない時は、思い切って試してみて下さい。

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花畑で撮ると、小人になった気分になります。
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水たまりなどの反射を利用すると幻想的に。
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どれも雰囲気のある写真になっているかなと思います。 ローアングルと地べた撮影は最も簡単な上達テクニックです。もちろんノーファインダーなのでどこまで写るかは分かりませんが、結果がよめないことがまた面白くもあります。もちろん慣れて来るとある程度は分かるようになってきます。

まずはこうやっていつもの自分の目線と、カメラからの視点を変えてみることです。地べたにカメラを置くなんて遊び感覚かもしれませんが、そういう柔軟さが今後の上達にも繋がってきますよ。


尾道でフィルムカメラワークショップ開催!
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さて、ここからは私事です。暖かくなってきたということで、久しぶりに出張ワークショップを開催します。場所は広島の尾道。

題して、『フィルムカメラでノスタルジックに撮る尾道の街』。

坂道や路地、小寺、昭和レトロを感じさせる尾道は、フィルムカメラとの相性は抜群!! しかも開催は暖かい4月17日。たくさんの猫たちとも出会えると思います。 遠方からの参加者も歓迎です! 今回は福岡でのワークショップに引き続き、トイラボの山田さんもご協力、ご同行して下さいます。現像のことなども聞けますよ。 前夜に福山駅近くで山田さんと懇親会(ただの飲み会)もいたします。ワークショップに参加して頂ける方でお時間ある方は是非! 写真で悩んでいることなどあればバンバン聞いて下さい。

ワークショプ詳細
■ 開催 4/17(日)  ■ 時間 13時〜16時  ■ 料金 5,000円
■ 募集人数 5〜10名
* カメラ(LOMO LC-A)レンタル、フィルム、現像、データ化、プリント込みの価格です。

その他の詳細、応募は『雨樹一期ブログ』より。


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雨樹 一期(あまき いちご)
1977年生まれ。大阪出身のプロ・トイカメラマン。観覧車写真家。トイカメラならではの色彩と、淡く鮮明な表現を自在に操り、写真を通してどこか懐かしくポエティックな視覚世界を表現する写真作家。東京ドーム『SPA LaQua』にて環境映像作品「心の観覧車」の上映。WEBや雑誌にてトイカメラコラムの連載。携帯のきせかえツール、スマートフォンのきせかえカレンダーへのコンテンツ提供。電子書籍の出版。東京、大阪、パリで写真展の開催。トイカメラ講師など、幅広い活動を展開中。書籍に「しあわせの観覧車」「一期一会」など。

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