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東日本大震災から6年 福島・富岡町は今

2017年3月10日 13:05
東日本大震災から6年 福島・富岡町は今

 死者・行方不明者1万8447人を出した東日本大震災から11日で6年。福島・富岡町から日本テレビ・矢島学アナウンサーと福島中央テレビの緒方太郎記者が伝える。

 去年11月にオープンした商業施設「さくらモールとみおか」は富岡町に全国的に知られる桜の名所があることから名づけられた。ホームセンターや飲食店などが入っていて、町民の生活に欠かせない施設になりそうだ。

 原発事故から6年、この春、福島の避難区域は、大きく変わる。原発事故による避難区域は放射線量に応じて、「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3つの区域に分けられてきた。このうち国は、福島第一原発がある大熊町と双葉町を除く「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」の避難指示を解除する。富岡町が4月1日、そのほかの自治体は3月31日に解除を控えている。

 「さくらモールとみおか」の国道を挟んだ向かいには業務を再開する警察署もあり、車の往来もある。避難する人が6年ぶりに故郷に帰れるようになるが、「素直に喜べない」と話す人もいる。

 住民の帰還は進んでいくのだろうか?道のりは険しいものがある。4月以降、「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」の大部分の避難指示が解かれると実に3万2000人もの住民が故郷に帰れるという選択肢を与えられる。ただ、帰りたくても帰れない住民も多くいる。国のアンケートでは、富岡町の住民の半分以上が「戻らないと決めている」と答えている。この6年の間に、故郷の自宅が朽ち果て、解体した住民がいる。避難先の小中学校になじんだ子どもに、故郷に戻ろうと告げられない親がいる。また、福島第一原発もいまだに深刻な状況で、これから40年は続くと言われている廃炉作業に不安を募らせる町民も多くいる。

 避難指示の解除はあくまでスタートライン。住民がこの先、帰りたいと思える町づくりが求められている。