【都知事選2014】避難者支援や都内の土壌調査に取り組むと明言した宇都宮氏~脱原発だけじゃない | 民の声新聞

【都知事選2014】避難者支援や都内の土壌調査に取り組むと明言した宇都宮氏~脱原発だけじゃない

東京都知事選挙へいち早く立候補を表明していた前日弁連会長で弁護士の宇都宮健児氏(67)が14日夕、新宿区内で記者会見を開き、改めて細川護煕氏との「候補者一本化」を拒否。「脱原発」だけでなく「脱被曝」、さらに医療や福祉などについて公開の場での政策論争を呼びかけた。都知事選は23日に告示。2月9日投開票で実施される。都民が選択するのは細川氏か舛添要一氏か、はたまた宇都宮氏か。


【東京には福島から6600人が避難中】

 挙手をする記者たちの口からは、示し合わせたように「細川氏との候補者一本化」に関する質問が相次いだ。宇都宮氏はいつも通りの穏やかな口調で、しかし時折、顔を紅潮させ、ぶぜんとした表情で答えて行く。私自身、このやり取りにうんざりしていた矢先、宇都宮氏が「『脱原発』だけが課題じゃない。いまだ7000人近い避難者が都内で生活しており、そういう方々ときちんと向き合っていかなければならないと考えています」と発言した。

 福島県によると、ピーク時の6万2808人(2012年1月26日当時)より減ったものの、依然として4万8944人が福島県外に避難(2013年12月25日現在)。うち、約13.5%にあたる6598人が東京都を避難先としている。これは山形県の5870人、新潟県の4688人を上回り、全国一だ。とかく「脱原発」ばかりが注目されがちだが、被曝回避のための避難者受け入れ、そして東京自身の汚染・被曝への対応も重要な課題だ。この機を逃すまいと、私は2点、質問した。一つは受け入れている避難者支援を具体的にどう考えているか。二つ目は都内の汚染・被曝にはどう対応するか。

 「例えば江東区の東雲住宅には多くの被災者が生活をしています。故郷に帰るに帰れないなか孤立死という事態まで起きている。原発事故による避難者の就労支援や生活再建。これにきちんと取り組んでいきたい」

 「都内にも〝ホットスポット〟が存在し、お母さんたちが自主的に土壌調査などを行っているのは知っています。知事になったら、そういう調査を全面的に支援していきたい」
 直接的な表現ではなかったものの、土壌調査にまで言及した点は評価できる。記者会見の話題は再び、「候補者一本化」に移っていた。


2011年10月、足立区内の小学校で約4μSv/hの

放射線量を計測。区は当該個所の表土を削り、学

校敷地内埋めた。東京にも放射性物質は飛来した

のだ。被曝は他人事ではない


【公開の場での政策論争を呼びかけ】

 宇都宮氏が終始、強調したのは「『脱原発』だけが都政の課題ではない」という点。「候補者の一本化という話が選対にも届いているのは事実」としながらも、「知事選は都民の暮らし、幸せを守るための選挙なので、ワンイシューで行われるべきではない」と語った。さらに「政策論争がなされるべきで、いわゆる〝後出しジャンケン〟や〝人気投票〟であってはならない」と繰り返し、「水面下ではなく、公開の場で政策論争をしていきたい」と舛添、細川両候補に呼びかけた。

 舛添氏に関しては、厚労相時代の言動を引合いに出し「庶民に冷たい政治家だ」と断じた。細川氏についても「総理大臣の時に原発政策を進めてきた人。橋下氏も脱原発を初めは口にしていた。果たして細川氏は貫けるのか」と疑問を投げかけた。そして「いずれにしても私の方が実行力はある」と胸を張った。

 会見では特定秘密保護法にも触れ、「脱原発は良いが、そういう面は(他の候補は)どうするのか」と述べた。記者からは「原発都民投票」に関する質問も出たが「住民投票は都民の権利。大切にしていきたい」と答えるにとどまった。
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緊急会見を開いた宇都宮氏(右)。細川氏との候

補者一本化は一貫して拒否した

=東京都新宿区四谷


(了)