検察というのは日頃からストーリーに沿った調書を作っていくように指導されているんでしょうね。今回の誤想防衛事件でも、検察はストーリーを作っています。/(江川 紹子) – 個人 – Yahoo!ニュース

しかも、体の大きい弟を取り押さえようと夢中だったので、自分の行動も断片的にしか覚えていませんでした。捜査官から「こうだったんちゃうか」「ああだったんちゃうか」と言われれば、「そうかもしれませんね」と答える。そうすると調書では、本人の記憶にはまったくないことが、あたかも本人が細かく語ったように書かれていくんです。

3分間首を絞めていた、という供述を巡っては、こんなことがありました。検察官に対して、お母さんが「そんなに長くはありませんでした」と説明しても納得してくれない。目の前で3分も兄が弟の首を絞めていれば、お母さんは止めますよ。それでも、検察官から「息子さん(Aさん)は、3分間絞めたと言っています」と聞かされ、やむなく「じゃあ、それでいいです」と言ったんです。そうしたら、お母さんの調書も「3分間絞めていた」ということになりました。

でも、Aさん本人から3分なんて言っていません。なのに、取調官から「3分以上絞めないと人は死なない」と説明され、「じゃあ、3分なんですかね…」と。最後の検察官の取り調べでも、「最大で3分」「1分から3分」と述べていましたが、「最大で」「1分から」は調書に反映されませんでした。

検察官のストーリーに沿った調書が作られてしまう。大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で、隠蔽したとして上司が逮捕された時、「最高検のストーリーには乗らない」と言っていると報道されましたが、検察というのは日頃からストーリーに沿った調書を作っていくように指導されているんでしょうね。今回の誤想防衛事件でも、検察はストーリーを作っています。

こういうことがあるから、可視化が必要なんです。取り調べの体験がなく、その実態がよく分からないのは、国民の皆さんだけではありません。裁判官も同じです。裁判官には、自分が「分かっていない」ことを分かって欲しいと思います。でも、そういう裁判官が調書の任意性や信用性を判断するんです。だからこそ、可視化が必要なんですよ。今回のDVDは、わずか30秒のやりとりから、取り調べの真実の断片を見ることができました。とはいえ、長い取り調べの、ほんの欠片しか見えていません。可視化は全面的に行わなければなりません。

引用:【裁判記録は誰のものか】「これは国民の知る権利の問題です」(江川 紹子) – 個人 – Yahoo!ニュース

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