◇遺族側 検察審査会申し立てへ
「市民の感覚で裁かれることなく、検察の判断で不起訴になるのはどうしても納得がいかない」。殺害された福田三郎さん夫妻の遺族は24日の会見で、今回の不起訴を不服として富山検察審査会へ申し立てる意向を明らかにし、やりきれない心情をぶつけた。
福田さんの娘の夫は「時間がかかりすぎ。もっと早く調べていれば、証拠が出てきたはず。捜査の遅れに非常に怒りを感じる」と、出版社から犯行声明文を手に入れるのに約2年かかるなど、後手に回った捜査を批判した。
山田博弁護士は「捜査の資料を見直して起訴すべきか、すべきではないかを市民に見てもらいたい」と検察審査会の判断に期待を寄せた。
検察審査会は、司法に市民感覚を反映させるための制度で、2009年に、選挙人名簿から選ばれた11人の審査員が2度の審査で起訴すべきと判断した場合、指定弁護士が強制的に起訴する仕組みが導入された。
加野被告は25日に予定される地公法違反の判決で、執行猶予などで釈放される可能性がある。福田さんの娘は「こんなことがあっていいのだろうか」と声を詰まらせた。
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