体調と相談しながらの、ゆっくりペース。
じっくりお話も伺います。
今日は、子ども時代、娘時代の話をたくさん聞かせてくださいました。
やはり子どもの頃から音楽が大好きで、
耳がとても良く、感受性も強く繊細な方だったご様子。
耳コピと見よう見真似でオルガンを覚えられましたが、時代が時代…親御さんのこと、戦争…
音楽の道を志すことは、叶わなかった。
今でも、心残りでおられるようです。
今と違って、ピアノが弾きたくても、町に1台ピアノがあるか無いか。
今のように気軽に誰かに習うこともできない時代。
音楽が好きなことは、学校の先生になるくらいしか生かす道はなく
それより先に年頃の娘として覚えねばならないことがたくさんあった。
学校を出てすぐ、女工になった同世代の女の子達のこと。
学校にオルガンだけはあって それをいつも弾いておられ、音楽好き同士で仲良くされていた方のこと。
「◯◯さん、もう一度、ピアノが弾きたいよ」と
言いながら、若くして亡くなられた…
今でもつらい思い出として、聞かせてくださいました。
*
今、私達は
この時代に生まれ、ピアノを弾くことも、好きな音楽を自由に聴くことができます。
好きなものを好きと言える。
弾きたいものを弾くことができる。
なかなか上達できない、忙しい、
もちろん、
様々な制約はあるけれど…
でも今、この自由のある有難い時代に、
命をいただき生きていられていること。
奇しくも今日は、3.11…
私は、
生かされた命を使って、何ができるだろう。
好きな音楽に、携わることができている自分…
精一杯、音楽に向き合っているか?
その方と握手でお別れし
車を運転して次のレッスンに向かいながら
考えた
2016年3月11日 でした。
今ある、目の前の《当り前》に
心から感謝。