「中村俊輔は古巣に復帰したヒーロー」。英メディアが日本のファンタジスタを選出

英国メディア『COPA90』は、「古巣に復帰した5人のヒーロー」を特集し、横浜F・マリノスの元日本代表MF中村俊輔を選出した。

 

 中村は2002年7月横浜FMからイタリア・セリエAのレッジーナに移籍。その後、セルティックとエスパニョールを経て、2010年に横浜FMに復帰した。

 

 復帰後はキャプテンを務め、世界に轟かせたフリーキックで数々のゴールを生むなど、38歳となった“日本のファンタジスタ”は現在でもJリーグで指折りの選手である。

 

 同メディアは復帰して年齢を重ねながらも、一級品の選手であることを次のように特集している。

「2010年に中村俊輔は驚きの古巣復帰を果たした。当時32歳という年齢を考えると“引退への道”と思われたかもしれないが、実際に逆だった。南アフリカW杯の日本代表にも選ばれた。38歳でありながら、愛するマリノスではキャプテンも務めている」

 

 なお、中村の他にはカルロス・テベス(ボカ・ジュニオルス)、ダニエル・アッガー(ブロンビー、現在は現役引退)、ホセ・アントニオ・レジェス(セビージャ)、ミチュ(レアル・オビエド)の4選手を挙げている。

 


今も輝く中村俊輔、そのパワーの源は? 

 

 

Jリーガーの選手寿命は短い。引退の平均年齢は30歳に届かず、多くの選手が20代でJリーグのピッチを去っている。そのなかでずっとレギュラーを張り、かつ第一線で活躍するのは容易ではない。 

横浜F・マリノスでキャプテンマークを巻く38歳の中村俊輔は、今なお輝きを失うことなく、華麗なテクニックと確かな戦術眼はさらに円熟味が増している。苦い経験を経て、ひと回りたくましくなる。ベテランになっても同じだ。 

 

昨シーズンはケガで出遅れた影響で控えに回ることが多くなり、本職ではないボランチでテストされたこともあった。だが彼はそれを成長材料に変えてレギュラーの座を取り戻すばかりでなく、グレードアップに成功するのである。 

目の前に壁が出現すれば、「エネルギーをためる時間」に置き換えるのが中村のやり方だ。 

彼は言う。 

 

「たとえば(大会直前にレギュラーを外された)南アフリカW杯のときなんかは、インターネットではどう自分が見られているのかなってチェックしたことがありました。見なきゃいいのに(笑)。見たくないようないろいろと厳しいことが書かれてあったし、正直、凄く落ち込んだ。俺、10番をつけているのに何のために南アフリカに来たんだろうって思ったこともありましたから。でも段々と見返そうっていうパワーになってくる。多分、そのパワーをつくるために、エネルギーをため込むために敢えて(インターネットを)見たんじゃないかなって思います。

 

でも(エネルギーを)ため込むという作業は、実は普段の些細なことから始まっています。マリノスでもロッカーで誰かが片づけ忘れたものを自分で片づけたりとか、日常生活のいい心掛けみたいなものが結局はサッカーに結びついてくる。いい気持ちで、グラウンドに行きたいですから。そのためには悩みを解決するためにやるんじゃなくて、悩みがあろうとなかろうと日常生活の些細なことから大事にしなくちゃいけないと僕は考えている」 

 

セーブすることなく常に100%で―、「太ももはここ数年で一番太い」 

 

南アフリカW杯を最後に日本代表引退に踏み切った中村はF・マリノスに専念し、2013年には自身2度目となるリーグMVPを獲得する。ためたエネルギーを己の力に変えてきた成果であった。 

控えに回った昨年も日々の生活から、些細なことから大事にした。壁を「悩み」と捉えることなく、しっかりと向き合い続けた。ストレスをパワーに変えていこうとした。 

と同時に溜めたエネルギーを、有効活用しなければならない。 

心掛けたのは、"使い切る"という意識。たとえケガ上がりで体が重くても、トレーニングではセーブすることなく常に100%でやろうとした。すると筋力がつき、「太ももはここ数年で一番太い」というまでになった。 

 

使い切る感覚は、試合でも活かされていく。 

途中出場のチャンスをもらえれば、彼はいくら短い時間であっても最大限のパフォーマンスを示そうとした。 

 

中村はこう語る。 

「"連チャン"で結果を残す」ことの重要性 
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