【前回の記事】「人に喜んでもらうことがビジネスモデルになった(ネスカフェ アンバサダー)」はこちら
今回のゲスト
津田匡保(つだ まさやす)
ネスレ日本 Eコマース本部 ダイレクト&デジタル推進事業部 部長
2009年より「ネスカフェ ゴールドブレンド」「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」のマーケティング業務全般を担当。マス広告・デジタルコミュニケーションの開発に従事。2012年秋「ネスカフェ アンバサダー」プログラムを立ち上げ。2013年「ネスカフェ アンバサダー」専門部署立ち上げ。2014年「第6回日本マーケティング大賞」を受賞。現在「ダイレクト&デジタル推進事業部」を率い、直販や新規事業、デジタル領域全般を担当。
お客様と直接話す。一緒に創る。
津田:アンバサダープログラムを行っていて良かった点は、お客様の話を直接聞けることです。定期的にアンバサダーさんに集まっていただき、毎回テーマを変えて座談会のようなことをしています。「何に一番困っていますか?」「今度新しいCMを作りますが、どんな要素を入れたらもっと響きますか?」など、実際にアンバサダーさんの意見を聞くことができるのが、すごくありがたいですね。
藤崎:他には、どのようなことを聞くのでしょうか。
津田:ネスレには、いろいろな事業部があるので、例えばキットカットのチームが「お客様にキットカットのことを聞きたい」という時にも、ネスカフェ アンバサダーに集まってもらい話を聞いたり、新しい商品やサービスを一緒に考えたりということもしています。
藤崎:アンバサダーからのフィードバックに関して、社内での理解の度合いはどのような感じですか。「それは本当に意味があるのか」という議論にはなりませんか。
津田:ネスレには昔からお客様との良好な関係を構築する専門のチームもあり、お客様の意見を取り入れることへの理解がありました。そうした企業文化もあり、反対する声はありませんでしたね。
実際、アンバサダーの方々との対話では、商品やサービスを日頃から使ってもらっているということもあって、建設的な議論ができていて、社内からも意見がすごく的を得ていて、新鮮だという感想が出ています。
藤崎:従来のマーケティング活動のなかで、ユーザーの声を聞くためには、調査会社を経由して人に集まってもらっていましたよね。
津田:そういう調査も決して否定はしませんが、アンバサダーの方々のほうがファンとしての度合いやモチベーションという点で、はるかに純度の高いので、良い面もありますね。
藤崎:当然といえば当然ですよね。むしろなぜ今まで、なぜこうした既存顧客との対話がおろそかにされてきたかが不思議です。
津田:私も今までいろいろなグループインタビューやイベントに参加してきましたが、アンバサダー同士の集まりほど盛り上がる座談会やインタビューはありません。みなさん本当に熱心で純粋な方々が多いです。それはアンバサダーの方々の多くが職場のちょっとしたリーダー的な人であったり、コミュニティの世話役だったりしますので、プロアクティブな姿勢の方が多いということも関係していると思います。また、働いている方が多いからでしょうか。現実的で建設的なご意見を頂けるので、私たちとしても大変助かります。
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