京都のカプセルホテル「The Millennials」には僕たちが求めていた「合理性」がある

ライフハッカー[日本版]より転載(2017年7月25日公開の記事)


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Photo: Takuto Oshima

旅行の醍醐味の1つに、ホテルがあります。友人と夜遅くまで話したり、旅行者と交流したり、ビールを飲みながら映画や読書を楽しんだり、その思い出は意外と残っているものです。

しかし、旅費を抑えるためにカプセルホテルを利用する人も増えてきています。カプセルホテルには、確かに安いというメリットはありますが、部屋が狭かったり、コミュニケーションスペースがなかったりと、泊まる楽しさを実感しにくいというデメリットもあります。

そんな「泊まるだけの場所」だったカプセルホテルをグッと進化させた「The Millennials Kyoto(ザ ミレニアルズ キョウト)」が、2017年7月に京都河原町三条にオープンしました。最新のIoT設備や共有スペースを兼ね揃えたミレニアル世代向けの新しいカプセルホテルです。

今回ライフハッカーでは、The Millennials Kyotoに実際に泊まる機会を得ました。今までにはない新しい時代の到来を感じたので、利用してみてわかった特長を4つご紹介します。

※ この記事はプレスツアーで交通費・宿泊費の支給を受けたうえで執筆しています。

The Millennials(ザ ミレニアルズ)とは?

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チェックイン時に渡される鍵とスマホ端末。

Photo: 島津健吾


The Millennialsとは、ミレニアル世代によるミレニアル世代のためのカプセルホテルです。ミレニアル世代とは、1980〜1990年代に生まれた世代のこと。年齢で言えば、20〜30代です。ソーシャルアパートメントやゲスト交流型ホテルを全国で展開している株式会社グローバルエージェンツが運営しています。

ホテルには、IoTを使ったスマートポッド、共有スペース、コワーキングスペースの機能があります。特にIoTを使った電子機器の制御は、他のカプセルホテルにはない特長です。


スマートポッド

カプセルホテルの宿泊スペースである個室はスマートポッドと呼ばれています。その理由は、チェックイン時に渡されるスマホ端末(iPod Touch)を使い、照明の明るさやベットのリクライニングの調整ができるからです。また、プロジェクターが用意されている部屋もあり、スマホをつなげば動画コンテンツをスクリーンに映して楽しむこともできます。視聴するコンテンツは自分で用意する必要はありますが、僕の場合はアマゾンプライム会員なので、コンテンツは自前で調達するこの方式のほうが自然でした。

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ひとりの空間が確保された居心地のいい空間。カプセルホテルとは思えない快適さ。

Image: The Millennials Kyoto


共有スペース

今までのカプセルホテルは、寝るためだけに利用するのが一般的でした。それは、共有スペースがなかったからです。The Millennials Kyotoは、ホテルの敷地面積の20%を共有スペースにすることで、利用者がくつろいだり、交流できたりするスペースを設けています。共有スペースには、キッチンやダイニング、ソファがあり、まさに「住むように泊まれる」空間です。

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おしゃれな共有スペースには、キッチンも。

Image: The Millennials Kyoto


コワーキングスペース「andwork」

The Millennials Kyotoには、コワーキングスペース「andwork」が併設されています。共有スペースと同じフロアーにあり、24時間365日使えることが特長です。ホテルの利用者でない場合でも、契約すれば使うことができます。


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旅行者も利用できるコワーキングスペース

Photo: 島津健吾


実際にThe Millennialsを使ってみてわかった4つの特長

今回、The Millennialsに1泊してみました。従来のカプセルホテルとは、違った一面が多く見られたのでその特長を4つご紹介します。


1. アラーム音がなくても強制的に起きてしまう仕組み

The Millennialsは、今までにない体験ができるカプセルホテルですが、中でもアラーム機能が画期的です。従来のカプセルホテルでは、大きな音が鳴ったり振動したりするアラームは周りの人に迷惑をかけるため、使いづらいのが常でした。だからといって、アラーム音を小さくすると寝過ごすリスクを高めることになるので、利用者にとっては歯がゆいジレンマだったわけです。

しかし、スマートポッドのアラーム機能は、音を出さないアラームです。「アラームなのに、音を出さない??」と最初は戸惑いましたが、この仕組みが実にスマートで画期的。

アラーム時間をスマホ端末でセットしておくと、時間になるとベットが起き上がって起こしてくれます。これなら、周りの人にも迷惑をかけずに時間通り起きることができます。

しかも、ゆっくりじっくり起き上がるため目覚めもよく、二度寝も防止できます。こんな便利なベットなら、家に1台ほしいくらいです。

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ベットのリクライニングはスマホ端末で調整可能。アラームをセットしておけば、リクライニングして起こしてくれる。

Photo: 島津健吾


ただ、アラームをセットするスマホ端末のバッテリーが切れていると、朝になってもベッドは動いてくれません。アラームは起きる時間になった時にベッドに指令が届く仕組みになっているようなので、ちゃんと起こしてもらいたいなら寝る前にスマホ端末を充電ケーブルにつないでおきましょう。

2. 個室スペースは思ったより広い

カプセルホテルのイメージというと、「安い」の次に「狭い」ではないでしょうか。僕も「カプセルホテルは狭い」というイメージを持っていましたが、スマートポッドは思ったよりも広くて意外でした。

まず違うのが、ベッドです。セミダブルなので1人で寝るなら十分すぎるくらいな大きさだと感じました。また、ベットの下に収納スペースがあり、大型のスーツケースも入れることができます。これには、なるほどと関心しました。出張者や旅行者はスーツケースを持っていますが、収納空間をベットの下につくる発想はありませんでした。


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セミダブルのベッド。2人でも寝られそうなスペース感だった。

Photo: 島津健吾


3. ハッピーアワーと朝食のサービス

僕は、積極的にコミュニケーションを取るのが苦手です。でも、内心では、ゲストハウスや飲み会でも誰かに話しかけたいと思っています。The Millennialsには共有スペースがあり、ゲストがコミュニケーションを取りやすいデザインになっていますが、それでもなかなか一歩が踏み出せない。そんな僕にとって好感が持てたのが、ハッピーアワーです。

夕方になると、無料でビールがふるまわれます。これをきっかけに少し周りのゲストとコミュニケーションが取れそうだなと思いました。

また、パンとコーヒーの朝食サービスもあり、軽く食べてから観光に行きたいという希望も叶えてくれます。

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朝食には2種類のパンとコーヒーがある。

Photo: 島津健吾


4. どこにでもあるコンセント

日常生活に欠かせない存在になったスマートフォンやタブレット。特に旅行中は、交通手段や観光スポットを調べるために欠かせません。しかし便利な反面、すぐにバッテリーが切れるため残量を気にしながら使わなければいけませんよね。

The Millennialsの共有スペースには、いたるところにコンセントがあります。これがすごく便利。常に充電した状態で使えるので、朝に友人と旅行のプランを確認する時でもバッテリーの心配がいりません。

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共有スペースのいたるところにコンセントがあり、細かい配慮がうれしい。これはソファの足元

Photo: 島津健吾


今後はあえてThe Millennialsに泊まるかもしれない

実際に使ってみて、今後京都に来たら通常のホテルではなく、あえてThe Millennialsに泊まるかもしれないと思いました。もちろんホテルより安いというメリットもありますが、それだけではありません。多様な人たちと一緒に時間を過ごしたいときは共有スペースで過ごせるし、逆にひとりになりたい時は「ひとりになる自由」がある。仕事に集中したいときは、ロビー併設のコワーキングスペースに行けばいい。The Millennialsには、そんな僕たちが求めていた「合理性」があるなと感じました。

次回京都に行く際には宿泊してみてはいかがでしょう?

Image: The Millennials Kyoto , 島津健吾

Source: The Millennials Kyoto

(文/島津健吾)

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