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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

学校もインスタもどっちも「リアル」。イマドキ女子高生のインスタグラム事情

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【前回の記事】「広告の「嘘」を見抜いて嫌悪する。10代が広告に抱いている感覚って?」はこちら

先日、ネット上で“リア充アピール代行サービス”が話題になりました。

その内容は、カフェやカラオケなどにスタッフが派遣され、その様子を撮影しインスタグラムに投稿することで「リア充」がアピールできるというサービス。

記事内では、「上記サービスを試した結果、その投稿が今までで一番いいね!を得られた」(実際にサービスを利用した20代女性記者談)とのこと。ネット上では「いいねのためにここまでするか?」との声があがっていました。

私もこういったサービスは極端な例かと思いますが、いまやSNSでの「いいね」や「フォロワー」が多いことが、仕事やチャンスを生む時代。いわゆるインスタグラマーと呼ばれる人たちが定着していることもその表れです。

いいねが、自分の「価値」に直結する側面があるのです。それは女子高生にとってもそうなのでしょうか?

今回はそんなインスタグラムにまつわる現状を書いていきたいと思います。

インスタグラムで重視するのは、フォロワーを増やす<友達との距離。

女子高生たちがインスタグラムで重要視することは、フォロワーを増やすことよりも「友達との距離を保つ」こと。過度にオシャレすぎる投稿や、友達と一緒に撮ったのに投稿しない、といったことは反感を買う可能性もあります。

JCJK調査隊のメンバーに聞くと、「仲良しグループで遊びに行ったらそのとき撮った写真の投稿は全員します。ハッシュタグでチームメイトの名前を書いたりもしますね。フォロワーを増やすためではなく、仲間に向けた投稿を意識しているかな」と言っていました。

女子大生以上になると属するコミュニティも増えてくるので、「インスタ映え」に振り切ることもできますが、学校や塾といった狭いコミュニティで生きている女子高生にとっては、自分をいかに良く見せるかではなく、リアルな友だちといかに良い関係を保てるかを一番に考えて投稿をしています。

今の10代にとって、SNSは学校や街で友達とコミュニケーションをとっている状態と感覚が同じ。よく、メディアなどで「ネットとリアルの境界線はどこか?」といった議論がされますが、それを目にするたびに、意味わかんない!と感じています。

だって、10代の女子たちにとっては、学校もインスタも「リアル」だからです。一方で、彼女たちが電車でマックのポテトを食べたり、お化粧をしたりするのに抵抗がないのは、電車の中は自分の世界とは関係ない世界だから。現実の世界でありつつも、彼女たちにとっては「非リアル」なんです。

友だちの投稿がタイムラインにあがっていたら、「いいね」を押すのも必須なのです。
友達に面と向かって「今日誕生日なの!」って言われたら、その場で「おめでとう!」と言いますよね。いいねを押してくれないのは、目の前の相手から無視されているのと同じ感覚。私も高校時代、「里佳はいいねを押してくれないよね!」と不満げに言われることがよくありました。

常にSNSを見ていることが当たり前という前提があるので、タイムラインを見ていなくていいねが押せないなんてありえない、という認識も10代の常識となっています。問題視されている「SNSいじめ」も、こういった背景から生まれている傾向があります。

彼女たちがつながりをキープするためには、もはや学校の場だけではなく、インスタグラムでのつながりが欠かせないのです。

次ページ 「Facebookとは少し違う。インスタのタグ付けはコミュニティ醸成。」へ続く