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トランプを操る男

2016年11月25日 | 国際政治
「トランプを操る」男(真相深層)
米次期政権、キーマンは長女の夫
2016/11/25 2:00 日経

 安倍晋三首相は17日、ニューヨークでトランプ次期米大統領と初めて会談した。米大統領選で民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官に接近してきた日本。主要国のなかで先陣を切ってトランプ氏との会談にこぎつけた背後には「トランプを操る男」とささやかれる1人の若い男性の存在があった。

 「それではトランプタワーにお越しください」。首相との会談場所について日本側に伝えてきたのはトランプ氏の長女イバンカさんの夫、ジャレッド・クシュナー氏(35)だった。17日の会談の数日前のことだ。トランプ氏が8日の大統領選で勝利した直後から、日本側はトランプ氏との早期の会談を探った。

■政治の方が好き

 実現に動き出したのはクシュナー氏が間に入ってからだ。日本側は大統領選のさなかからフロリダ州など首都ワシントンからは離れた場所で、トランプ陣営と水面下の接触を続けてきた。下馬評で優位とされたクリントン陣営に漏れれば、報復されかねないためだ。
 その過程で日本側はクシュナー氏がトランプ陣営で大きな力を持っているとの感触を得た。トランプ家で「親日家」といわれるイバンカさんを通じ、クシュナー氏に秋波を送った。17日の安倍首相との会談に、トランプ氏側からはそのクシュナー氏とイバンカさん、国家安全保障担当の補佐官に内定したマイケル・フリン氏が同席した。

 「正直言ってジャレッドは不動産よりも政治の方が好きなのではないか」。共和党候補の指名を確実にした5月のインディアナ州の予備選勝利後の演説で、トランプ氏はクシュナー氏をこう紹介し「政治においても彼は非常に優れている」と持ち上げた。傍らには笑顔を浮かべたクシュナー氏の姿があった。

 米メディアによると、クシュナー氏は米ハーバード大を卒業し、ニューヨーク大で経営学修士(MBA)を取得した。ユダヤ教徒で、イバンカさんも2009年にクシュナー氏と結婚する前にユダヤ教に改宗した。

■人事にも介入?

 クシュナー氏の実家は不動産業。父の後を継いだ経歴がトランプ氏と重なる。父チャールズ氏は04年に脱税や買収、選挙資金の違法献金などで実刑判決を受けた。訴追した検察官はニュージャージー州知事で政権移行チームの委員長だったクリス・クリスティー氏だ。

 クリスティー氏は元側近がニューヨークと結ぶ橋の車線を不当に閉鎖したとして有罪判決を受け副委員長に降格された。背後にクシュナー氏との確執が噂されている。

 クシュナー氏は26歳の時にマンハッタンの5番街にある高層ビルを18億ドル(約2千億円)で買収した。単独のオフィスビル買収では米史上最高額の取引で、不動産業者として名をとどろかせた。

 昨年6月以降のトランプ氏の選挙運動でクシュナー氏は戦略策定や演説文の起草、資金集めで重責を担った。インディアナ州予備選の勝利後の演説でトランプ氏がクシュナー氏の名前を出したのは、娘婿だからという理由だけではなかった。

 「政権の意思決定に深くかかわる」。首席補佐官に指名されたラインス・プリーバス党全国委員長は14日の米NBCの番組でクシュナー氏がトランプ政権のキーパーソンになると明言した。

 かつてのケネディ大統領は弟のロバート・ケネディ氏を司法長官に起用したが、今は「反縁故法」で大統領の家族が政府の要職に就くことは禁じられている。トランプ氏は同法の抜け道を探しているフシがある。クシュナー氏は政府の機密情報に接することができるための手続きを始めた。

 米メディアは首相との会談に同席したイバンカさんを「政治の私物化」と批判し、クシュナー氏にも同様の視線が注がれる。ただし無報酬なら家族でも政府の要職に就いていいとの解釈がある。

 トランプ氏は22日の米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、クシュナー氏をイスラエルとパレスチナの和平に向けた「特使」に起用する可能性を示した。まだ少年の面影を残すクシュナー氏がトランプ政権でどんな役割を担うのか。注目しているのは米国民だけではない。

(ワシントン=吉野直也)

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