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少子高齢化、過疎化、労働人口不足の押し寄せる社会、そして往診歯科治療について

2017年01月25日 | 患者さんの知らないンプラント業界の話

先週末は、熊本で開催されたインプラント学会九州支部会に参加して来ました。


昨日も書きましたが、とても印象的だったのは少子高齢化、過疎化が加速度的に進行し、田舎が滅んで行ってしまう、無人村、無人が沢山生まれる、取り残される高齢者が沢山出てしまうだろう、と言う悲しい未来予測でした。


私自身、開業する20年以上前、勤務医だった頃、法人の往診車に週に1回乗って特老ホームなどの在宅医療に専門的に従事して来ていました。


恩師今間司先生のご助言をいただき、法人の中での立ち位置で色々と難しいこともありましたが、私自身の意志でこの仕事には携わりたい、と言うのを通しさせていただいて関わって来ました。

通算で5,6年関わったかと思います。


私は、今の世の中が来る随分前に在宅医療、往診医療の最前線の現場にかなり深く関わって来ました。


そこで感じたのは、クリニックの中でする医療と往診先、在宅で出来る医療には相当に差がある、特に歯科医療では全然違うモノだ、と言うことです。


往診車で行きますから、設備的には相当に整っていました。

歯科治療用のチェアをチャンと搭載していますし、道具、器具もちゃんと備えています。

レントゲン撮影も出来る、ポータブルのデンタル撮影機も載せていました。


マイクロバスサイズ以上でしたから、立って診療出来ましたし、バキューム設備もちゃんとありますし、ほぼ移動診療室と言って差し支えない位のモノで行っていました。


それでも、クリニックで出来る、する治療とは雲泥の差がある、と如実に感じさせられていました。


アシストにはちゃんと衛生士も来てくれていましたし、ホームの職員の方も介助について下さっていましたから、往診、在宅医療とは言え、かなりの設備を持って行っていた、と言うのにです。


その最大の理由は、患者さんが通常の歯科治療を受けられるほどの体力、気力がない、と言うことに尽きます。


通常のクリニックの中なら、痛いと言われて神経の処置で何とか出来る、被せモノをすれば持たせられる、と言うモノでも、患者さんがその治療を時間掛けて受けられる状況ではないんです。


患者さんは高齢者です。

だから、神経も凄く細くなっていますし、実際には何処かで既に根管治療を受けていて、そのやり直しと言うことになると、凄くその治療を受けることが高齢者の患者さんには大変なんです。


虫歯を削らないといけない、根充材を取り除いて根管を綺麗にしないといけない、その上で根充し直しをしないといけない、そして何よりもラバーダムシートする、と言うような手順、治療行為に患者さんが耐えられないんです。


それでも、患者さんは痛い、と言われますから、出来ることと言えば抜歯、になるんです。


痛みを取り除く為には、痛んでいる歯を抜くしかない、と言うことです。


まるで、戦後に戻ってしまったかのような治療ばかりを推進しなければならない・・・のが実情、でした。


そうするしか、痛みを止める手段がない、最前線の戦場のような治療、と叱られるかも知れませんが、それが本当の所です。


歯を抜いて、入れ歯を入れる、それが私のして来た往診車での治療でした。


インプラントを入れるとか、歯周再生治療をするとか、根管治療をして綺麗な歯冠補綴物を入れる、何て言うのはかなりの少数派、でした。



そこで、私が感じたことは、どうしてこんなになってしまうんだろう?こんな可哀想な状態にしないように出来ないんだろうか?でした。


この疑問に対する答えが欲しくて、自分自身のクリニックを開業して、高齢者の方々がどうなって行くのか知りたい、と私は思っていました。

開業した裏の目的、とも言えるでしょう。



そうして、私自身開業して20年。

自分自身の経験を通じて、今言えることは、チャンとお口の手入れをされる患者さん、口腔健康に対する意識の高い患者さんは、失礼ながら、私が往診して来た患者さん達とはかなり違う人生を送れる、と言うことなんです。


女性の場合には健康寿命と寿命との差が10年以上、男性なら7年以上もある、とデータ―で分かっています。

このデータは、私が経験して来た現場の感じに即しています。


しかし、自分自身開業して、お付き合いさせていただいている患者さん達とは、全く違う、とハッキリ分かっています。

お口の中の健康を維持された方は、健康寿命と寿命の差が1年もない、と言うのが私の考えです。

つまり、お口の機能をちゃんと維持され、ちゃんと綺麗に保ち続けた方々は、亡くなる1年未満まで結構自分が好きなように好きなことが出来て、体調崩して、クリニックに行けないからうちに往診してくれないか、と言う状態になられ、そして早い方は3ヶ月持たないで旅立たれました。


自立自律の人生を、亡くなる1年前まで、凄い方は3か月前まで、ちゃんと送られて亡くなられるんです。


あくまでも、私個人の経験です。


しかし、一つの歯科治療の凄い可能性を示している、とも思っています。


生意気な言い方になりますが、往診在宅歯科医療は、敗戦処理治療だ、と思うようになったんです。


本当はそうなってはいけない。

でも、そうなる方の方が、多分8割以上でしょう。



そう言う患者さん達を相手に、私は総義歯の神様の系譜を引く、免許皆伝与えられた歯科医ですが、3割以上の成績を残すことしか出来ませんでした。

本当の話です。


又生意気な言い方ですが、私ほどの義歯の実力がある歯科医が取り組んで、4割超えることが出来なかった、半分の患者さんすら救えなかったのが厳然たる事実です。


しかし、施設の方が、落ち込んでいる私を見かねて、先生プロ野球でも一流の証明は3割バッターですよね、だから先生は凄い先生です、先生のこれからのご活躍に凄く期待しています、と励まされました。(余り励まされて来たので、今禿げてしまったのかもです・・・)


本当の話です。



高齢者歯科医療、往診、在宅、そして、少子高齢化による労働力不足社会の到来。


難しい問題が山積ですが、我々の代で解決の道筋を付けて、次代、子孫に明るい未来を残してやらねば、と強く強く誓う私です。


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