被告人は知的能力が低いことがあります。だから、刑事弁護人はどんな人でも適正な弁護を受けられるよう、とにかくわかりやすく、意を尽くして説明します/【刑事弁護実務の講義ノート付き】

なぜ刑事弁護人は教えるのがうまいのか?

私見ですが、刑事弁護人の仕事のひとつは、刑事訴訟に関わる人たち(裁判官・裁判員・被告人等)に「自分の主張を伝えること」だと思います。どんなにがんばっても、自分の主張が相手に伝わらなければ説得することもできません。だから、彼らは「伝える技術」を徹底的に磨いています。何を、どんな順番で、どういう言葉で、どのタイミングで伝えれば伝わるのかにこだわりぬきます。

また、被告人は知的能力が低いことがあります。だから、刑事弁護人はどんな人でも適正な弁護を受けられるよう、とにかくわかりやすく、意を尽くして説明します。

2009年からは裁判員裁判が始まりました。今回の講義を担当した4人の先生方は、当初から裁判員裁判に関わっています。裁判員には「法律家の常識」は通用しません。

「なぜ前科がないことが量刑に影響を与えるのか。前科がないのはあたりまえじゃないのか」

「悪いことをしたのなら反省するのが当たり前。反省したからといって刑を軽くするのはおかしい」

これが普通の市民の考え方です。それでも刑事弁護人は被告人のために、前科がないということの意味、反省するということの意味を、刑事訴訟の理念に遡ってわかりやすく説明する必要があります。

「伝える」ということは、「言葉の受け手がその言葉の意味を理解すること」です。そして、教育の内実のひとつはまさに「伝えること」であり、コミュニケーションそのものです。彼らはまた、コミュニケーションの達人であると言ってもよいでしょう。

このような仕事の中で「伝える技術」を鍛え上げたからこそ、4人の先生方の教え方はまさに職人芸と呼ぶべき域に達しているのではないでしょうか。

引用:超一流刑事弁護人に学ぶ、11の上手な「教え方」まとめ 【刑事弁護実務の講義ノート付き】 – 修習生兼務取締役の独り言(※最高裁兼業許可済)

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