東北薬科大で「医学部新設」認可へ 琉球大以来37年ぶり 文科省審議会が答申

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は27日、東北薬科大学(仙台市)が来春の開設を目指し認可申請していた医学部について、大学設置基準などに適合するとして、下村博文文科相に新設を認めるよう答申した。医学部設置は昭和54年の琉球大(沖縄県)以来37年ぶり。同大学は「東北医科薬科大学」と改称し、東北地方に7大学目の医師養成の拠点が誕生する。

 政府は昭和57年以降、医師の供給過剰への懸念などから医学部新設を制限しているが、今回は東日本大震災に襲われた東北地方の復興促進の観点から特例として認めた。そのため、審査結果に多くの留意事項が設けられたのが特徴的だ。

 答申によると、地域への医師定着や復興支援といった本来の目的の順守▽教育や診療に従事する医師数の確保▽地域の要望を踏まえた病院の特色づくり-など留意事項は13項目に上り、文科省は開設後に各項目の履行状況を調査するとしている。

 同審議会で医学部設置の可否が審査されるのは37年ぶりだったため、特別審査会が設けられ、書類だけでなく実地調査などより慎重な審査が行われた。

 同大学は現在、医学部付属病院に必要とされる病床数を確保するため、NTT東日本東北病院(仙台市)と譲渡交渉などを進めている。

 同審議会は27日付で、同大学を含む公私立の大学・大学院・短大で計46件の学部や学科、研究科などの設置を「可」と答申した。

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