2013.06.24

都議選と国政選挙の相関関係を分析すると見えてきた「自民党73議席、民主8議席」という参議院選挙予測

 東京都議選(定数127)は自民が勝った。地方選挙とはいえ、準国政選挙並みの体勢で各党とも臨んだが、やはり自民が強かった。もっとも、自民勝利が見えていた「しらけムード」なのか、投票率は過去最低の1997年7月の40.8%に次いで2番目に低い43.52%だった。

 42選挙区に253人が立候補。内訳は民主44人(現有43)、自民59(39)、公明23(23)、共産42(8)、日本維新34(3)、東京・生活者ネットワーク5(2)、みんな20(1)、生活3(0)、社民1(0)、みどり1(0)、その他4(0)など。当選者の内訳は、自民59、公明23、共産17、民主15、みんな7、東京・生活者ネットワーク3、日本維新2、生活、社民とみどりは議席獲得ならず、その他1だった。

 これで、自民党は都議会第一党に返り咲いた。近年にない圧勝で、候補者全員59人が当選した。公明も組織票をまとめて全員当選となり、都議会第二党になった。自公あわせて82となり、都議会で圧倒的な多数だ。

 民主は、投票率の低い中でも組織票をいかせず惨敗で、第1党から第4党になり、10年以上前に逆戻りだ。

橋下発言はどこが失敗だったか

 みんなはかなり善戦した。維新との選挙協力解消は痛かったが、それなりの頑張りをみせた。維新は、前知事が党代表だったが、投票率が低調になったこともあり風がおこせず、都議会で一定の勢力にならなかった。

 やはり、維新は、投票率が低い上に、直前の橋下発言が痛かった。橋下発言については、風俗利用の米軍への進言はまったく論外だが、慰安婦問題は村山談話と第一次安倍政権で修正された河野談話をベースにしているので、よく冷静に聞けば従来の政府の見解と大きく違うところはない。ところが、橋下氏は紙の文書ではなくインタビューで話してしまった。

 インタビューは全部でなく見出しだけが一人歩きする。しかも、インタビューは、聞き手の思い込みもありお互いに言った言わないの誤解が生じやすい。従来の政府見解は紙になっているので、誤解や思い込みを生じにくいが、それでも多くの議論がある。橋下氏のインタビューは紙でなかったので誤解が誤解を生むなど想定外の方向に議論が及び、結果として維新のイメージダウンになってしまった。

 共産は大健闘し、民主党を抜き第3党になった。自民好調の中、維新が自滅したために、みんなは維新との選挙協力を解消せざるをえなくなって維新とみんなは昨年の総選挙のときのように選挙区で共倒れになったところが多い。その結果、漁夫の利を得たのが共産だ。投票率の低かったことも組織票が多い共産に味方した。

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