テスラの「Model3」はアップルのiPhoneだ!テック業界を21年担当したアナリストの本音

GettyImages-464172224

テスラのCEO、イーロン・マスク氏は次のスティーブ・ジョブズとなるか?

Pascal Le Segretain/Getty Images

長年アップルを分析していきたアナリスト、ジーン・ムンスター(Gene Munster)氏が、テスラの電気自動車(EV)「Model 3」発売のインパクトは、アップルの「iPhone」発表に匹敵すると述べた。

これまでアップル、グーグル、アマゾンのような巨大テック企業を何十年と見てきた同氏は、テスラが初期のアップルによく似ていると論じる

「Model 3には、今後10年で、その技術と共に、世界を変え、電気自動車と自動運転の普及を加速させる可能性がある。今後、Model 3の発売を振り返るとき、それをモバイルコンピューティングへの移行を促したiPhoneと比較することにだろうと確信している」とムンスター氏は記した。

Model 3は、テスラ初の大衆向けセダンで、3万5000ドル(約390万円:税制優遇前)で販売される。テスラは7月28日に30台を、12月には生産を拡大して2万台を出荷すると発表している。

低価格のModel 3によって、テスラはこれまで以上に大きな市場で需要をとっていく可能性がある。

ムンスター氏は、21年にわたって、投資会社Piper Jaffrayの上級アナリストだった。昨年12月に退社し、拡張現実(AR)、人工知能(AI)、ロボット工学へ投資するVC(ベンチャーキャピタル)ファンドLoup Venturesを立ち上げた。

Loup VenturesによるModel 3のコスト分析では、アメリカで4番目に普及しているトヨタの「カムリ」より、税金控除を含まずとも手頃な価格であるという結果が出た。

ムンスター氏によると、「コンセンサス予測は、Model 3がテスラの最大獲得市場を年約100万台から400万台へ拡大するとしていた。しかし、所有コストの観点でいえば、我々はModel 3がテスラの最大獲得市場を、北米だけで年間約1100万台に拡大させるだろうと考える」

Model 3

テスラは、7月下旬にセダン「Model 3」の出荷を開始すると発表

Tesla

トヨタの「Camry」はModel 3とは別のセグメントになるが、燃料、保険、メンテナンス、修理、製造技術の値段を考慮すると、結局、EVセダンのModel 3の方が安い、とムンスター氏は述べる。

最後に重要なのが、ムンスター氏の主張の根拠だ。

テスラは、2017年末までにロサンゼルスからニューヨークへの自動運転を目指し、人工知能(AI)を進化させるべく、すでに数万台の車両からデータを収集している

同社は新たに「テスラネットワーク」を立ち上げる計画もある。テスラネットワークでは、自分の車を自動運転ネットワークに追加すれば、使用していないときに車が金を稼いでくれる。

テスラの自動運転技術とネットワークの実現には、おそらく数年がかかるだろう。しかし、低価格のModel 3とテスラが将来リリースする技術の価値を考えれば、それはiPhoneに匹敵するレベルであるだろうとムンスター氏は語った。

実際にテスラが大衆市場へ参入するには、今年と来年で生産能力を倍増する必要がある。テスラは製造上の問題を抱え、第2四半期の出荷台数が計画を下回ったと発表。

「ハードウェアはソフトウェアほど簡単ではないが、拡大可能だ」とムンスター氏は述べた。「2007年のiPhoneを振り返ってみればいい。年間生産で5000万台を思い描いていたアップルは、2015年には2億3200万台を販売した」

テスラの最新の株価はこちら


[原文:GENE MUNSTER: Tesla's Model 3 launch will be as big as the introduction of the iPhone

(翻訳:本田直子)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み