江戸期の掘削跡 改修工事で出現 朝倉市の国史跡、堀川用水の切貫水門 気が遠くなる手作業に感嘆
朝倉市の三連水車を含む国史跡「堀川用水および朝倉揚水車」のうち、改修工事で取水口である「切貫(きりぬき)水門」の水が抜かれ、岩盤をくりぬいて水門を設けた江戸時代当時の姿があらわになっている。
一帯を管理する山田堰土地改良区の徳永哲也理事長(70)は「内部を詳細に見たのは私も初めて。昔の人の苦労がしのばれる」と感慨深げだ。
切貫水門は、筑後川の水を引く農業用の堀川用水からの取水を増やすために設けられた。1722年に最初の掘削が終わり、さらに流量を増やすために59年には高さと幅が2倍に拡幅された。
水門は現在も使われており、農林水産省が23年ぶりに改修に着手。露出している内部は、高さと幅が各約3メートル、長さ約20メートル。トンネル状の壁はでこぼこしており、江戸時代の人々がのみなどで固い岩盤をこつこつとくりぬいた様子がうかがえる。徳永理事長は「固い岩なので、気が遠くなるような大工事だったはず」と推測する。
工事は5月末まで。見学には農水省の許可が必要。
=2018/02/09付 西日本新聞朝刊=